2022.03.18

マーチ・マッドネスに備えよ…NCAAトーナメントで注目の選手:後編

マーチマッドネスでの注目選手をピックアップ[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 NCAA(全米大学体育協会)の頂点を決めるポストシーズン、マーチ・マッドネスの戦いの火蓋が切って落とされた。

 マーチ・マッドネス(3月の熱狂)の名のとおり、トーナメントには早速波乱が。第2シードをもぎ取り、前評判の高かった名門ケンタッキー大学は、マイナー校のセントピーターズ大学にまさかの敗北。その他にも、スイート16やエリート8クラスの実力を持つ大学が1回戦で敗れており、トーナメントを勝ち上がる難しさが次々と証明されている。

 先日公開した“マーチ・マッドネスに備えよ…NCAAトーナメントで注目の選手:前編”では、チェット・ホルムグレンやジャバリ・スミスなど、ドラフト最上位指名候補をご紹介した。今回の後編では、実力校を牽引し、彼らと同様1巡目上位が予想される実力派たちにフォーカスしていきたい。

 

パオロ・バンケロ

所属大学:デューク大学(西地区第2シード)
学年:1年生
身長・体重:208センチ113キロ
ポジション:パワーフォワード

[写真]=Getty Images


 名門デュークの1年生エースは、今シーズン1試合平均17.0得点7.8リバウンドを記録し、両スタッツでチームリーダーに立っている。『ESPN』のアナリストを務めるラフォンゾ・エリスは、バンケロを「1対1でガードできる人間はアメリカに存在しない」とその才能を手放しで賞賛していた。

 バンケロの才能が最も発揮されるのはミッドレンジシュートだ。八村塁(ワシントン・ウィザーズ)の伝家の宝刀でもあるシュートは非常にソフトなタッチで、スピンムーブからペイントエリアに侵入すれば、持ち前の体幹の強さを生かして難なくねじ込む。相棒のAJ・グリフィンとともにブルーデビルスのプライドを背負うバンケロの活躍が、上位進出のカギを握る。

ジョニー・デイビス

所属大学:ウィスコンシン大学(西地区第3シード)
学年:2年生
身長・体重:196センチ88キロ
ポジション:シューティングガード

[写真]=Getty Images


 デイビスは今年急成長を遂げ、一躍モックドラフトの上位に現れた新星だ。高校時代の『247 Sports』の格付けでは150位前後にランクインしており、元々の評価は3つ星プレーヤー。カレッジ初年度の成績も7.0得点4.1リバウンドと特筆すべきところはなく、もちろんアーリーエントリーのオプションを検討することはなかった。

 しかし、今シーズンは19.7得点8.2リバウンドとスタッツが大幅に向上。下位に沈むと思われていた同大学がビッグ10を1位で終えることができたのは、デイビスの飛躍なくしてありえなかっただろう。そうした活躍が評価され、同選手はビッグ10の年間最優秀選手賞のみならず、『Sports Illustrated』が選ぶ今シーズンの最優秀選手トップ50でもスタープレーヤーたちを抑え、1位に選出。同誌のジェレミー・ウーはその理由について「デイビスほどチームにとって重要な選手はいません。彼の勝利への影響は一貫している」とコメントしている。

 シュートメイキングの巧みさなどから、CJ・マッカラム(ニューオーリンズ・ペリカンズ)と比較されるデイビス。ウィスコンシンとの旅路はどこまで続くのか、彼の活躍に全米が熱視線を送っている。

ベネディクト・マサリン

所属大学:アリゾナ大学(南地区第1シード)
学年:2年生
身長・体重:198センチ95キロ
ポジション:スモールフォワード

[写真]=Getty Images


 マサリンは今シーズン1試合平均17.4得点を挙げ、同大学の得点リーダーに君臨。類まれな運動神経を生かし、強豪アリゾナ大でハイライトを量産してきた。

 ハンドリングとディフェンス面にはまだまだ向上の余地が残されているものの、フィジカルの強さ、205センチのウイングスパン、敏捷性を生かしたオフェンスは迫力満点。3ポイントシュートも平均38.9パーセントと高確率で、多くのスカウトが底知れぬポテンシャルに期待をしている選手の1人だ。

 Pac-12の年間最優秀選手、『AP通信』によるオールアメリカンのセカンドチーム選出と才能はお墨付き。ホルムグレン、スミス、ジェイデン・アイビーのトップ3の牙城は固いが、上位ラウンド進出で実力を裏付けし、高順位で指名を確保したいところだ。

 文=Meiji

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