2023.03.08

覚醒した富永啓生が強豪ひしめくビッグ10カンファレンスの特別賞を受賞

シーズン終盤に飛躍的に存在感を高めた富永[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 ネブラスカ大学でプレーする富永啓生が、ビッグ10カンファレンスの2022-23レギュラーシーズンアワードで特別賞を受賞した。

 ネブラスカ大学が所属するビッグ10は、全米屈指の強豪校が名を連ねる通称“パワー5・カンファレンス”の一角。ビッグ10の全14校のなかには、現在パワーランキング3位のパデュー大学、クリス・ウェバーやジョーダン・プールを輩出したミシガン大学、ディアンジェロ・ラッセルマイク・コンリーの出身校として名高いオハイオ州立大学など、NCAAに精通していなくとも名前を耳にしたことがあるであろう名門校が名を連ねている。

 富永はそんな全米屈指のプレーヤーが集結するカンファレンスにおいて、コーチ投票、メディア投票の両カテゴリーで特別賞に選出された。今季は31試合に出場し、1試合平均24.7分のプレータイムを獲得。スタッツは12.8得点(カンファレンス23位)、1.5リバウンド、0.7アシストとなり、スリーポイント成功率も40.3パーセントと安定感抜群で、確率は昨年から7パーセント以上も向上した。

 とりわけ、シーズン終盤の爆発力は圧巻だった。プレータイムが増加したシーズン最後の10戦に限定すれば、平均得点は17.4得点までアップ。2月からシーズン終了までの約1カ月は9試合すべてで2ケタ得点をマークし、2月7日(現地時間6日)に開催されたペンシルバニア州立大学との一戦では30得点、フィールドゴール成功率66.7パーセントの活躍でチームに白星をもたらしている。

 上記の活躍を受けて、カンファレンス公式も富永のハイライトを掲載。また、選手の軌跡を紐解くドキュメンタリーシリーズ“The Journey”でも特集され、動画には「日本のステフィン・カリー:富永啓生」とのタイトルが掲げられた。

 ネブラスカ大学は終盤に怒涛の追い上げを見せたものの、前半に負けがかさみ、レギュラーシーズンはカンファレンス11位でフィニッシュとなった。しかし、3月9日(同8日)からはカンファレンストーナメントに突入し、初戦は今シーズン2勝0敗と相性の良いミネソタ大学との対戦を控えている。

 困難な道のりではあるが、カンファレンストーナメントを勝ち上がればマーチマッドネス出場の切符を手にすることができる。何が起こるかわからないのが、シングル・エリミネーション。ジャイアントキリングのカギを握るのは、コーンハスカーズが誇る背番号30の得点力に違いない。

文=Meiji

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