2024.07.31
21世紀はおおよそ四半世紀が過ぎようとしているが、約25年の歳月で素晴らしいアスリートが数々誕生してきた。
スポーツ史を追いかける『ESPN』は、「2000年代の歴代最高アスリートトップ100」と題し、各界のスター選手たちをランキング形式で発表した。様々なスターたちを格付けすることは同メディアをもってしても骨が折れる作業。8度のバロンドールを獲得したサッカー選手のリオネル・メッシ(インテル・マイアミCF)、7回のスーパーボウルチャンピオンに輝いたアメリカで最も偉大なクォーターバックである元アメリカンフットボール選手のトム・ブレイディ(元ニューイングランド・ペイトリオッツほか)氏、陸上100メートルの世界記録保持者であるウサイン・ボルト氏をはじめとしたオリンピアンなど、名前を思い浮かべれば枚挙に遑がない。
20世紀の北米アスリートランキングでは、元NBA選手のマイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズほか)氏が元野球選手のベーブ・ルース(元ニューヨーク・ヤンキースほか)氏や元プロボクサーのモハメド・アリ氏を凌いで堂々の1位を獲得。最新版のランキングでは現役NBAプレーヤーがどこにランクインされたのだろうか。
ランキングを発表する前に『ESPN』は評価プロセスについて説明した。今回の格付けには世界各国の『ESPN』が貢献し、各競技におけるランキングおよび2000年以降のパフォーマンスのみを考慮。最終的には7万票以上が集まり、その集計にて順位が決定された。
21世紀のアスリート番付で頂点に輝いたのは、水泳界の絶対王者に君臨したマイケル・フェルプス氏だった。最も偉大なオリンピック選手と評される“水の怪物”は、キャリアで23個の金メダルを獲得。驚異的だったのは2008年北京オリンピックで大会史上最多となる8個の金メダルを獲得し、そのうち7レースで世界記録更新という偉業を成し遂げた。また、2位には女性アスリートの地位向上に貢献した女子テニス界の最高傑作セリーナ・ウィリアムズさんが選ばれた。
バスケットボール界からは、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)が第4位に選出された。NBA歴代最多得点記録保持者にして、4度のNBAチャンピオン、20回のオールスター選出、19回のオールNBA選出と、その華々しいキャリアは説明するまでもないだろう。『ESPN』のブライアン・ウィンドホースト氏は、“キング”がクリーブランド・キャバリアーズの一員として戦った「NBAプレーオフ2007」におけるデトロイト・ピストンズとのイースタン・カンファレンス・セミファイナル第5戦に言及。ダブルオーバータイムに突入する大接戦となったが、レブロンはチーム最後の30得点のうち29得点を記録してチームに勝利をもたらし、伝説のゲームとして語り継がれている。14年間で10度のファイナル、3つのフランチャイズでのタイトル獲得など、NBAでの偉業は数知れず、さらにはアメリカ代表としても自国に2度の金メダルを持ち帰った。まもなく開幕する「第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)」でも優勝を果たせば、また一つゴールドコレクションが追加されることになる。
レブロンに次ぐNBAプレーヤーは、10位に名を連ねた故コービー・ブライアント(レイカーズ)氏だった。レイカーズのフランチャイズプレーヤーは、忠誠を誓った球団に5つのタイトルをもたらし、2度のファイナルMVPに選出。また、9試合連続の40得点、4試合連続の50得点、トロント・ラプターズ相手の81得点ゲーム、そして自らの引退に花を添えた60得点でのキャリアフィナーレなど、彼が築き上げた“マンバメンタリティ”は色褪せることなく、世界中のバスケットボールプレーヤーに永遠のインスピレーションとして語り継がれていくに違いない。『ESPN』のデイブ・マクメナミン氏はブルックリン・ネッツに所属するキャム・トーマスの言葉を引用し、「彼は我々世代のジョーダンのような存在です。昔の選手がジョーダンを好きだったように、我々もコービーが好きなんです」と、コービー氏の唯一無二のスター性を強調した。
以下にはステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)が14位、ティム・ダンカン(サンアントニオ・スパーズ)氏が16位、シャキール・オニール(レイカーズほか)氏が17位と続き、WNBAで史上初の1万得点に到達したダイアナ・トーラジ(フェニックス・マーキュリー)が21位に登場。また、新世代を背負う現役選手からは、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)が28位、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)が42位にそれぞれ選出された。
ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)やルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)などは選外となったが、ヴィクター・ウェンバンヤマ(スパーズ)などリーグには将来を期待される逸材が数多く控える。世界最高のスポーツエンターテイメントであるNBAから、次にこのランキングに名を刻むのは誰だ。
文=Meiji
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