2024.04.16
4月5日(現地時間4日、日付は以下同)、ネブラスカ大学の富永啓生はアリゾナ州のステートファームスタジアムで開催された「カレッジ・スラムダンク・アンド・3ポイント・チャンピオンシップ」の3ポイントコンテストに出場した。これは、“ファイナル4”と呼ばれる準決勝進出校が出揃い大詰めを迎えているNCAAトーナメントの直前に行われるイベントであり、毎年NCAAディビジョン1に所属する大学から招待を受けた精鋭が参戦している。
3ポイントコンテストは8名の選手が出場し、第1ラウンドを勝ち抜いた4名で第2ラウンドを戦い、勝ち残った2名が決勝に臨む方式で進んだ。第1ラウンド、富永は選手紹介のビデオで次のように自己紹介をしていた。
「富永啓生、日本出身です。ステフィン・カリーが好きで、背番号30番を着ています。彼のプレーを見ることが好きだし、彼がバスケに捧げている情熱も大好きです」
この自己紹介がまるで伏線だったかのように、富永は第1ラウンドでカリーさながらのプレーを見せ、観客を魅了した。残り時間5秒で最後の「マネー・ボール」(決めると通常の倍にあたる2得点が与えられるボール)を手に持った富永は、数秒間シュートを打たずに時間の経過を待ち、ブザービーターを狙った。さらに、残り約1秒でシュートを放った富永は、ボールの行方を目で追うことなく、カリーのように体を反転させ観客席に体を向けたのである。放ったシュートはブザーと共にゴールに吸い込まれ、富永が目を向けた先にいる出場選手と観客は歓喜の声を挙げた。
第1ラウンド最多となる25得点を記録した富永は、続く第2ラウンドも24得点をマークし勝ち進んだ。決勝戦、ホフストラ大学のタイラー・トーマスの記録17得点に対して富永は19得点を記録し、3ポイントコンテストで優勝を飾った。
富永の優勝、そして第1ラウンドで魅せたカリーさながらの圧巻のパフォーマンスに現地のファンは大いに沸いている。ネブラスカ大男子バスケットボール部はX(旧Twitter)の公式アカウントで「これで終わりと思った?ケイセイ・トミナガが、ファイナル4の3ポイントコンテスト優勝で大学バスケのキャリアに有終の美を飾った」と投稿した。さらに、優勝記念のメダルを首にさげる富永の写真をアカウントのアイコンに変更している。さらに、現地メディア「ESPN」は、「ケイセイ・トミナガは本物のショーマン」と題して第1ラウンドのハイライトをSNSに投稿している。
NCAAトーナメントでは1回戦で敗退となり悔し涙を流した富永だが、3ポイントの名手として再び全米に名を轟かせることとなった。なお、富永は翌日に行われるオールスターゲームにも出場することが決まっているため、引き続き試合での大活躍も期待したい。
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