2021.04.28

富永啓生がNJCAAチャンピオンシップのオールトーナメントチームなどに選出

富永がNJCAAチャンピオンシップでオールトーナメントチームなどを受賞[写真]=fiba.com
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 高校時代に“平成最後の怪物”と称され、いま最もNBAに近い日本人選手の1人として着々と成長を続ける富永啓生が、ネブラスカ大学編入前に現所属のレンジャー・カレッジへ素晴らしい置き土産を残した。

 NCAA(全米大学スポーツ協会)のマーチ・マッドネスの興奮冷めやらぬ4月下旬、アメリカではNJCAA(全米短期大学スポーツ協会)のチャンピオンシップが開幕。サウスウエスト地区を勝ち抜き、本戦への出場権を手にしたレンジャー・カレッジは、初戦のコチセ・カレッジ相手に20点差をつけて圧勝すると、勢いそのままにセミファイナルまで駆け上がる快進撃を見せた。ベスト4でカウリー・カレッジに破れ、惜しくもトーナメントを後にしたものの、同校が強豪ひしめく全米大会において確かな爪痕を残したのは言うまでもない。

 富永は、持ち前の得点力を武器にチームのオフェンスをけん引。初戦こそ伝家の宝刀である3ポイントシュートの確率が上がらず、14点と息を潜めたが、準々決勝ではゲームハイタイの25得点をマーク。シュートへ向かう思い切りの良さは桜丘高校時代からさらに磨きがかかり、フェイスガードをもろともせずに沈めるディープスリーはチームに勢いをもたらした。

 それらの功績が評価され、富永は同大会のオールトーナメントチームに選出。さらに、個人賞部門でもスポーツマンシップ賞に選出され、レンジャー・カレッジ一同に今シーズンの努力を労うアワードを持ち帰っている。

 日本の未来を担うであろうシューターは、アメリカ挑戦2年目を1試合平均16.3得点、2.4リバウンド、1.6アシストでフィニッシュ。しかし、要所でのビッグショットはスタッツ以上のインパクトをもたらし、何よりフィールドゴール成功率51.0パーセント、スリーポイント成功率48.7パーセント、フリースロー成功率88.3パーセントというショットの正確性と安定感は、味方にとってはこれ以上になく心強かったことだろう。

 来シーズンからNCAAディビジョン1のネブラスカ大学への編入が決定している富永は、入学前から同校の公式SNSで度々フィーチャーされており、期待値は高い。2021-22シーズンはいよいよ、夢のNBA入りに向けて真価が問われる1年になるだろう。

 文=Meiji

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