2022.09.24

【B1クラブ展望/川崎】“ほぼ残留”から垣間見える決死の覚悟…3冠獲得へ勝負の年

川崎は今季3冠獲得を狙う[写真]=B.LEAGUE
フリーライター

 川崎ブレイブサンダースは10選手の残留、佐藤賢次ヘッドコーチを筆頭とする11名のチームスタッフとも契約継続を果たした。その裏には「2022-23シーズンこそは」という並々ならぬ覚悟があるのだろう。天皇杯3連覇だけでは物足りない。地区優勝、そして最も渇望するBリーグの頂へ、川崎ブレイブサンダーズはもう一度同じ仲間とチャレンジする構えだ。

 昨シーズンのチャンピオンシップでは初年度以来となるホーム開催権を得ながらも、クラブ2度目のファイナル進出へは届かなかった。だが、着実にステップアップしたシーズンだったとも言える。

 天皇杯では初の連覇達成、レギュラーシーズンでは1試合平均得点(88.2)とアシスト(24.6)でB1トップの数字をマーク。個人タイトルでもパブロ・アギラール長崎ヴェルカ)がスティール王を受賞し、ベスト5には藤井祐眞ニック・ファジーカスの2名が選出された。

 藤井に関してはベストディフェンダー賞と最優秀選手賞も獲得し、その輝きは増すばかりだ。さらに懸念材料でもあった辻直人広島ドラゴンフライズ)と大塚裕土アルティーリ千葉)の穴を埋める役には、マット・ジャニング前田悟のニューフェイスに加え、熊谷尚也も存在も大きかった。

 新戦力に迎えたのは、コンボガードの納見悠仁とアメリカやヨーロッパでのプレー経験があるマイケル・ヤングジュニアの2名。戦力は申し分ないと言っていいだろう。

 川崎は昨シーズン敗れた15敗のうち、その半数以上が過去にCS進出を果たしているチームからの黒星だ。やはり、3冠獲得へは強豪どうしの戦いでいかに勝ちきれるかが問われるだろう。今シーズンは“全員キャプテン”というサプライズ発表もあった。一人ひとりがリーダーとして自覚を持ち、常に『FULL THROTTLE』で駆け抜けた先に、その美しい世界は広がっている。

■KEY PLAYER/PF #2 マイケル・ヤングジュニア

「平均得点は1位でしたけど、ニック(ファジーカス)がベンチの時に得点が止まってしまう時間帯がありました。そこをどうにか改善できないかなと、攻撃の起点になれる選手を求めていました」と語った北卓也ゼネラルマネージャーが獲得に乗り出したのが、ヤングジュニアだ。

 同選手の魅力は、パワーフォワード登録ながらオールラウンドにプレーできる点。内外からのシュートに加え、ボールハンドラーも担うことができ、北GMによれば「クイックネスとスピードもあってバスもできる」。ヤングジュニアの加入により、攻撃のバリエーションは確実に増えるだろう。

 文=小沼克年

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