2022.09.20

【B1クラブ展望/北海道】攻撃力アップが見込めるも、CS進出へのカギは安定したディフェンス

北海道は昨季佐古賢一HCのもと21勝を挙げた[写真]=B.LEAGUE
フリーライター

 4年連続東地区最下位。昨シーズンのレバンガ北海道は佐古賢一新ヘッドコーチのもとでそこから抜け出し、21勝35敗の東地区9位でシーズンを終えた。北海道での2年目、指揮官は「CSを狙いに行く」と結果にこだわり、クラブを高みへと押し上げる。

 北海道は開幕前に「DOWAグループ presents 第10回 TOHOKU CUP 2022」に参戦。だが、結果は1勝を挙げるにとどまり、3位決定戦ではB3の岩手ビッグブルズに延長戦で敗れた。キャプテンの橋本竜馬は、「やはり責任を感じます」と肩を落としつつも、「ただ、チームとしては開幕が迫っているので落ち込む暇もないです。良い部分と悪い部分をしっかり精査して、どう開幕へ向かっていくかが大切」と気を引き締めた。

 今シーズンの新入団選手は5名。デモン・ブルックスをインジュアリーリストに登録しているなかでブロック・モータムアレックス・マーフィーを迎え、日本人では地元出身の高橋耕陽と初のB1に挑む荒川颯が加入。また、アジア特別枠でドワイト・ラモスを獲得し、昨シーズンのB1得点王であるショーン・ロングを筆頭に、一層オフェンス力のある顔ぶれが並んだ印象を受ける。

 モータム、マーフィー、ラモスの3選手は合流が遅れたため、フィットするのにはもう少し時間がかかりそうだ。しかし、早くも佐古HCが高い評価を与えているのは、富山グラウジーズから加入したラモスだ。「ボール運びも問題ないですしポイントガードから3番(スモールフォワード)までできそう。身体もしっかりしているのでスイッチディフェンスの対応もよかったです」と、キープレーヤーの1人になるかもしれない。

 直前に迫った開幕までに最も修正が必要なのは「ディフェンスの強度」(佐古HC)だ。昨シーズンは川崎ブレイブサンダース宇都宮ブレックスを63点に抑えて勝利した試合もあれば、失点が「100」を超えた試合も6回あった。チャンピオンシップ進出へ向けても安定したディフェンスは必須項目であり、けん引役の橋本と寺園脩斗を軸に、さらなる進化が問われる。

■KEY PLAYER/PF #12 ブロック・モータム

 これまでは主にヨーロッパでプレーしていたモータムだが、「新たなチャレンジ」としてBリーグの舞台を選んだ。「僕の一番の強みはハードにプレーできること。プレーの幅の広さもあり、相手の弱みを突いて中でも外でもインパクトを与えるプレーをしたい」と意気込むパワーフォワードは、攻撃だけでなくインサイドのディフェンスでも重要なピースになりそうだ。

 文=小沼克年

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