2023.09.17

川崎は“ラストダンス”合言葉に団結…引退表明のファジーカス「すべてをかけて優勝しにいく」

16日、今季限りでの現役引退を表明したファジーカス[写真]=川崎ブレイブサンダース
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 川崎ブレイブサンダースニック・ファジーカスが、9月16日のプレシーズンゲーム・宇都宮ブレックス戦後に行われた「2023-24シーズン出陣式」にて、今シーズン限りで引退することを発表した。

 ファジーカス本人の口から飛び出した「引退します」という言葉に、とどろきアリーナに駆けつけたファンから悲鳴ともとれる大きなどよめきが起こったが、川崎の“THE KING”は「お子さんやファンの方々の中で『ニックを見に行きたい』という思いに応えるため、『ニックの最後のプレーを見てきたよ』って言えるようにするために、ここで引退発表しようと思いました。最後の1年、僕自身のすべてをもってチームを頂に連れて行くのが目標です」と語り、最後は万雷の拍手が沸き起こった。

 2023-24シーズンのスローガンは「All-In(オールイン)この場所 この瞬間に すべてを懸ける」に決定。ファジーカスの現役ラストイヤーにもなる特別な一年を前に、篠山竜青がキャプテン、藤井祐眞長谷川技納見悠仁の3名が副キャプテンに就任した。

 佐藤賢次ヘッドコーチは「ニックと過ごした12年間はかけがえのない時間です。だからこそオールイン、全部かけます。この一瞬、この場所、戻ってこないです。この一つ一つがかけがえのないものなので、オールインします。だからこその(キャプテン)篠山竜青です。(副キャプテン)藤井祐眞です。長谷川技です。そこに納見に乗っかってもらいます。絶対やり遂げます」とファンへ向けて力強く宣誓。

 篠山は「スローガンのオールインは、勝てば優勝、負ければなにもない、それくらいの言葉です。この一年、ニックとともに戦って、来年このチームがどうなっているかわからないです。それくらいの気持ちでみんなやらなければいけないと思っていますし、自分自身ももう一度キャプテンとしてチームをまとめられればと思っています」と、新シーズンにかける思いを語った。

 また、長谷川は「ニックとは同期入団で12年間一緒にやってきました。そのニックが引退するということで、なんとしてでも勝ちたい、そういう気持ちが強いです」と話し、声を震わせ言葉に詰まる場面も。励ましの拍手を送るファンへ向けて、「みなさんもオールイン、すべてをかけて戦ってください。よろしくお願いします」と呼びかけた。

 出陣式後に行われた引退表明会見では、ファジーカスが「オールインというスローガンに加えて、チームの合言葉として『The Last Dance(ラストダンス)』という言葉も使っています」と明かし、「天皇杯の優勝は味わっていますが、Bリーグチャンピオンにはなっていない。1年目(2016-17シーズン)以来、決勝に行けていないのが現実です」とコメント。「僕が最後に成し遂げなければいけないのは優勝だと思っています。ラストダンス、オールイン、みなさんがどういう意味に解釈してくれても構いません。すべてをかけて優勝しにいくというのが今年の意気込みです」と、あらためてBリーグ初制覇への強い思いを口にした。

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