2018.04.29
4月22日のB1リーグ第29節第2戦、青山学院記念館で行われた一戦は、東地区首位のまま「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」に進みたい千葉ジェッツと、チャンピオンシップ進出へ1敗も許されなくなったサンロッカーズ渋谷のプライドがぶつかる好ゲームとなった。
マイケル・パーカーがペイントエリアに攻めこむ千葉に対し、SR渋谷もディフェンスで踏ん張り、序盤は互角の展開。試合開始3分34秒でロバート・サクレが2つ目のファウルを犯してベンチに下がったところから千葉が少しずつペースを握り始め、石井講祐の連続3ポイントシュートで勢いに乗ると、富樫勇樹と小野龍猛も3ポイントを決め、第1クォーターを28-15と13点先行した。
ところが、第2クォーターに入ると千葉が急停止。オフィシャルタイムアウトまでに3得点しか奪えず、SR渋谷が5点差に詰め寄る。その後、ギャビン・エドワーズがゴール下を攻略して千葉が持ち直すが、ベンドラメ礼生の3ポイントでSR渋谷が再び追撃開始。伊藤駿が連続スティールで速攻を生みだし、41-36の5点差に戻して折り返した。
第3クォーターはパーカーの2つのバスケットカウントで先行する千葉に対し、SR渋谷も伊藤と広瀬健太のバスケットカウントで追いすがり、試合は1点を争う展開。千葉はインサイドを攻められず、外角シュートの決定力も欠いて得点が伸び悩むが、小野のインサイドアタックでつないで56-52とかろうじてリードをキープした。
しかし、第4クォーターでもSR渋谷は執念で千葉を追い詰める。ベンドラメの3ポイントやサクレのダンク、山内盛久のスティールで活気づくSR渋谷に対し、千葉はエドワーズが強いプレッシャーでサクレのローポストアタックを封じこめる。スティール合戦やルーズボールの奪い合いが白熱する中、同点で迎えた残り1分44秒に千葉が小野の3ポイントで一歩前に出ると、SR渋谷はその後、必死にリングを狙うも2得点しか挙げられず、最終スコアは71-67。千葉が激戦を制し、SR渋谷は5試合を残してチャンピオンシップ進出の可能性が消滅した。
試合後の会見に臨んだ大野篤史ヘッドコーチは、停滞したオフェンスについて課題を並べながらも「シーズン終盤で勝ちを拾えたことは収穫」と語った。アルバルク東京との2勝差を守ったことは、チャンピオンシップでのホームコートアドバンテージを得る上で大きな意味を持つ。苦しみながらも白星を手にした千葉が、すべてホームゲームとなる残り5試合で上昇気流に乗ることができるか注目したい。
文=吉川哲彦
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