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日本バスケットボール協会(JBA)が主催する3x3の国内ツアー大会の最高峰「3x3 JAPAN TOUR 2024 EXTREME」のラウンド8が10月13日に開催された。今大会は4月から始まった女子カテゴリーの8度あるラウンドの最終戦。11月に開かれるFINALに向けて、ツアーランキング上位6チームが決まる一戦だった。会場は「跡地を、みんなで遊べる聖地へ」をコンセプトにオープンしたlivedoor URBAN SPORTS PARK。6チームが出場してしのぎを削り、TOKYO VERDYが優勝を飾った。
この日は、6チームが3チームずつに分かれてPoolと呼ばれる予選に臨み、各Poolの1位が決勝へ駒を進めるルールで実施。Pool Aでは、ツアーランキング3位(ラウンド7終了時点。以下同)のTOKYO VERDYが同5位のTOKYOBBを21-17で破り、TOKYOBBを17-14で下した同2位のTOKYO DIMEと予選突破を懸けて対戦。接戦となったが、八木希沙(#7)、井齋沙耶(#8)、吉武忍(#9)を中心に相手の反撃を13-11で振り切って決勝進出を決めた。
一方、Pool Bではツアーランキング7位のXD(クロスディー)が予選を勝ち抜いた。初戦で同4位のboldiiies(ボールディーズ)を20-17で破ると、2戦目で同8位のXLiV(クロスリブ)とマッチアップ。boldiiiesとの1戦目を12-21で落として後がない相手にリードを許すが、齊藤桃子(#54)の活躍によって18-18の同点へ追いつき、延長戦の末に20-19で逆転勝ちした。
TOKYO VERDYのラウンド優勝はラウンド5、ラウンド6に続いて3度目。今ツアー大会に参加するチームの中で最多を数える。今春より設立されたチームであるが、2023シーズン限りで活動を休止したYOKOHAMA G FLOWで、過去にJBA主催の「3x3 JAPAN TOUR FINAL」や「3x3日本選手権大会」、3人制グローバルプロリーグの「3x3.EXE PREMIER」(主催:クロススポーツマーケティング)などで優勝を経験した選手たちがそろうだけに、強さは健在。今年9月には「3x3.EXE PREMIER 2024」のプレーオフも初制覇している。
この日は、その優勝経験者の井齋、八木、吉武のほか、平田えりか(#37)が出場。初のメンバー構成だったそうだが、チームの中心選手で、先のプレーオフでMVPに選ばれた“矢上若菜”不在を感じさせなかった。ディフェンスでは個々が球際で体を張り、オフェンスでは矢上の役割を八木がカバーして、チームで戦い切った。
井齊は初めての会場で優勝できた1日について「八木がハンドラーになって、得点を取ってくれました。私はこれまでと変わらずゴール下で頑張って、ディフェンスも一生懸命やるだけでした」とコメント。さらに「会場はスケートボードなど他の競技もできる施設があって、3x3のコートから見える(海辺の)景色もとても良くて、すごかったです。屋根もあるから雨が降ってもバスケができるので、最高な場所ですね」と笑顔を見せてくれた。
また、今大会には彼女たちを応援しようと、東京ヴェルティの女子ホッケーチームの選手たちが多数駆けつけて、声援を送った姿も印象的だった。J1を戦うサッカーを筆頭にさまざまな競技チームを運営している総合スポーツクラブならではの光景と言えるだろう。
八木によると、3x3の所属先がTOKYO VERDYになったことで、イベントを通じて他競技の選手たちと関わる機会が増えたという。お互いを応援しようとする機運もクラブ内にあるそうで「スポーツクラブとして意義のある取り組みだと思いますし、楽しいですね。ヴェルディだからこそできる取り組みだと思います」と話した。
そんなスポーツの刺激を受けながら、TOKYO VERDYは11月9日、10日に三井ショッピングパーク ららぽーと堺で開かれる「3x3 JAPAN TOUR FINAL」に日本一を目指して出場する。加えて、10月19日、20にはエナジードリンクメーカーのレッドブルが主催する3x3の国際大会「Red Bull Half Court 2024 World Final」に出場するため、アメリカのニューヨークにも向かう予定だ。
有明での優勝を一層の弾みとして、国内外で飛躍を目指す姿から、まだまだ目が離せそうにない。
文=大橋裕之
写真=兼子愼一郎