2024.12.27
「本当に感謝しかないです。負けてしまったので普通だったら泣いたりテンションが下がったりすると思うんですけど、僕はこのチームで3年間試合に出させてもらいました。その中で苦しいことありましたしいろんな壁にもぶつかりましたけど、 それを含めて本当にこのチームやこの大会に感謝してるので悔し涙は出ないですね」
敗れてもなお、その表情は晴れやかだった。
12月26日の『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』の3回戦、北陸高校(福井県)は東山高校(京都府)に最終スコア72-84で敗戦。今夏のインターハイ3回戦で敗れた相手との再戦となったが、夏の王者にリベンジとはならなかった。
北陸のキャプテン・和田拓磨(3年)は高校最後の試合で15得点。武器である3ポイントシュートは8分の2という確率だったが、自身のプレーに関しても後悔はない。
「最初は自分の中で迷っていた部分もあり先生(久井茂稔コーチ)から『もっと攻めんかい!』って喝を入れられたんですけど、最後は打つべきところで打ち切れたので悔いはないです」
1年生の頃から名門校のスタメンの座を勝ち取り、ウインターカップにも3度出場。2年前は「何も考えずに、とにかくがむしゃらにプレーしていた」が、今年はU18日本代表メンバーに選出され、9月の『FIBA U18 アジアカップ 2024』を経験したことでより高みを目指すようになった。
「1、2年生の頃はシューターとして試合に出ていたんですけど、この3年間でプレーヤーとして一皮剥けるためにはシュートだけじゃダメだと思い始めました。特にアジアカップが終わってからはドライブやフィジカルの強化に取り組みましたし、今ではドライブからファウルをもらうプレーも増えたので、そこは成長した部分かなと思います 」
「3年間で本当にいろんな経験をさせていただいた中で、一番記憶に残っているのは、やっぱり人間性の部分です」。そう明かした和田は、この1年、キャプテンとしてチームの先頭に立ち続けた。
「自分がキャプテンを任されるようになってからは、チームを引っ張っていかなければいけないという責任感が芽生えました。みんなの見本になることを日常生活でも常に自分に問いただしてきたので今では無意識にできるようになりましたし、久井先生や八木先生(八木昌幸アシスタントコーチ)が指導してくださったおかげで人間性の部分も成長することができました」
北陸高校でのバスケットにはこれでピリオドを打つ。けれど、和田のバスケット人生はこれからも続く。「本当に感謝の2文字です」と高校バスケを締めくくった和田拓磨は、胸を張って次のステージへと歩み始める。
「大学バスケではさらにレベルが上がりますし、壁にもぶつかると思います。そういう時こそこの3年間で学んだ人間性と主体性を大事にして、自分がもっと上手くなれるように、成長できるように頑張りたいです」
取材・文=小沼克年
2024.12.27
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