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【ウインターカップ女子注目】岐阜女子「絶対的司令塔が復帰…完全形で挑む最後の冬」

7年ぶりの優勝を目指す岐阜女子 [写真]=兼子愼一郎
フリーライター

高校バスケ日本一を決める「SoftBank ウインターカップ」が12月23日に開幕する。東京体育館をメインに29日まで男女120チームが頂点を目指す熱戦を彩る注目チームと選手を紹介する。

文=田島早苗

 2018年大会以来となるウインターカップでの優勝を目指す岐阜女子高校(岐阜県)にとって、大きなプラスとなっているのが小松美羽(3年)の復帰だ。

 小松は昨年からスターターを担ってきた絶対的司令塔。得点力が高く、要所での3ポイントシュートなどでチームを引っ張る。また、特筆すべきはディフェンスで、相手の動きを読んで瞬時にボールを奪っていく様は見事の一言だ。今年の6月に足をケガしたことでインターハイは欠場となったが、懸命なリハビリを経て9月14日の「U18日清食品トップリーグ」で復帰。するとその試合では3ポイントシュート4本を含む18得点を挙げた。その後もトップリーグで好パフォーマンスを見せ、最終戦となった日本航空北海道高校(北海道)との試合では22得点6リバウンド5アシスト5スティールという数字を残している。

 その小松の不在の間、チームを引っ張っていたのが三宅香菜と杉浦結菜の3年たち。2人ともにインターハイでは得点にディフェンスにと奮闘。三宅はガードを務めるなどプレーの幅を広げ、杉浦も躍動感あるドライブなど持ち味を発揮し、インターハイベスト4に大きく貢献した。

 三宅、杉浦も小松同様に昨年からスターターに名を連ねており、3人は今年の岐阜女子の屋台骨といえる。そこに思い切りの良い動きで得点を奪っていく北野空(3年)や2年生の坂口みなみが続いていく。例年と比べて今年は大型センターを起点とした得点は少ないものの、アウトサイド陣が速さを武器に果敢にリングに向かうオフェンスとチーム伝統のディフェンスとで勝負を懸ける。

「今年のチームは背が小さい分、外からのシュートの確率を上げたり、大きい選手に対してのディフェンスの強度などを上げれたりできたと思っています。私自身も、ガードとしての状況判断を良くし、チームを日本一に導くプレーヤーになります」と、小松。

 キャリアのある3年生たちを中心に、チームが見据える先は頂点のみだ。

■KEY PLAYER/CF #4 三宅香菜

岐阜女子をリードする三宅香菜 [写真]=兼子愼一郎

 ウインターカップに向けてのチームにとっての大きなトピックは、ガードの小松の復帰だ。これに関して三宅香菜も「ゲームメイクのところで小松がいると、すごくパスが回って、自分たちもプレーしやすいです」と、言う。だが一方で、「でも、小松だけに任せるのではなくて、自分たちがやるということはぶらさず、しっかりプレーしていきたいと思います」とも口にした。

 今夏は、ケガにより小松が戦線を離れていたが、その間に三宅はリーダーとしてあらゆる面でチームを引っ張った。プレーではディフェンスはもとより、力強いドライブやリバウンドなど大車輪の働き。インターハイでも最後まで体を張った動きでチームの士気を鼓舞した。

 そうした経験も踏まえ、小松が戻ってきた今も、リーダーとして引っ張る意志は夏と変わらないのだろう。「小松がいなかったときに、ほかの選手たちの『自分がやる』という気持ちのこもったプレー増えたので、そこに小松が帰ってきてくれたことはチームにとってプラスになったし、プレーの幅が広がっていると思います」とも三宅はチームの現状を語った。

 高校最後の大一番。「もう後少しで引退だと思うと寂しいです」という三宅は、仲間との最後の挑戦にすべてを懸ける構えだ。

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