2025.11.18
高校バスケ日本一を決める「SoftBank ウインターカップ」が12月23日に開幕する。東京体育館をメインに29日まで男女120チームが頂点を目指す熱戦を彩る注目チームと選手を紹介する。
文=小沼克年
紆余曲折を経て、福岡大学附属大濠高校(福岡県)は連覇のかかるウインターカップへ臨む。
前回大会は3年ぶり4回目の頂点に立った。新チームでは昨年の優勝にも貢献した勝又絆と榎木璃旺(ともに3年)が中心となり、勝又がチームキャプテン、榎木がゲームキャプテンという形で組織力を高めてきた。
だが、無事にインターハイ出場権を手にしたものの、本戦では準々決勝で敗退。11月のウインターカップ県予選では福岡第一高校に敗れ、今大会は県2位での出場となった。
インターハイと県予選では、どちらも立ち上がりから受け身になり勝利をつかみきれなかった。「3度目はない」。片峯聡太ヘッドコーチは11月に行われた東山高校(京都府)との「U18日清食品トップリーグ2025」で3年生を遠征メンバーから外した。
「外から東山戦を見て、今のチームに足りないものはディフェンスの時のコミュニケーションだと感じました」(勝又)
片峯コーチの決断がチームの歯車を噛み合わせる要因にもなり、トップリーグ最終戦では福岡第一に97-48で完勝。大会2連覇を達成し、指揮官も「上級生と下級生がいい形で融合できた」と口にした。
チームの中心は、やはり3年生。前述した榎木はポイントガードを務め、勝又は献身的なプレーが光る。勝又とともに体を張るのは195センチのサントス マノエルハジメで、3ポイントとディフェンスが持ち味の吉岡陽、縦への突破が魅力の村上敬之丞の両ガードはベンチからの出場でも役目を果たす。2年生では、トップリーグで平均23.8得点の活躍を見せたエースの本田蕗以に注目だ。
ノーシードから出場する今大会は、強豪がひしめく左下の山から優勝を目指す。榎木は「チーム一丸となって戦うことはもちろん、体力面も考慮しなければいけないです。限られたメンバーだけでなく、全員で6試合を戦い抜きたいです」と抱負を語った。
決して受け身にならず、オフェンスもディフェンスも自分たちから仕掛ける。それを貫くことができれば、昨年同様に他を寄せつけない強さを証明できるはずだ。

注目の白谷がいよいよウインターカップにデビュー [写真]=佐々木啓次
今年チームに加わった大物ルーキーは、中学時代には全国中学校バスケットボール大会3連覇やJr.ウインターカップ優勝を経験。飛び級でU18日本代表に名を連ね、「FIBA U18アジアカップ2024」にも出場した。
高校入学後は最年少の16歳で日本代表のディベロップメントキャンプに参加した白谷柱誠ジャック(1年)は、日本バスケ界の未来を担う存在といっても過言ではない。
194センチでポジション登録はシューティングガード。1年生とは思えない高さに加えフィジカルの強さもあり、3ポイントシュートからも得点を奪う。福大大濠でも攻守にわたってオールラウンドな働きで新たな風を吹き込んでいる。
インターハイではベンチから合計3試合に出場。しかし、なかなかチームでの活動に専念できなかったこともあり、「初めての高校のインターハイでしたけど、自分と周りとのトーンが合っていなかったと感じました」と、連携に苦しむ場面も見られた。
2025年のチームスローガンは『PUZZLE』。
「自分の本来の武器であるドライブやインサイドでの得点力をしっかり発揮すること。あとは、3ポイントなどの外からのシュートも決め切れるようにしたいです」
そう意気込む白谷がパズルのピースとしてぴったりはまるかどうかも、チームの明暗を大きく左右する。
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