ウインターカップ大会ベスト5に選出された吉岡陽「当たり前にやってきた努力が認められたようでうれしかった」

　12月29日、高校バスケの日本一を決める「SoftBank ウインターカップ2025 令和7年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子決勝が東京体育館で開催。福岡大学附属大濠高校（福岡県）が97－71で東山高校（京都府）に勝利し、2年連続5度目のウインターカップ優勝と、「U18日清食品トップリーグ2025」を含む高校2冠を達成した。

　決勝は序盤から強度の高いディフェンスから得点につなげ、完全に主導権をキープしたまま試合を進められたことが勝因と言えるだろう。終始相手を圧倒した展開を生んだことについて3年生の吉岡陽は試合後のインタビューで、「夏（インターハイ）は全員が受け身になることだったり、慎重になりすぎるということで八王子学園八王子高校に負けてしまって。ただ（その後）日清食品トップリーグという自分が成長できる機会をいただいて、そこで攻め気だったりそういう部分をしっかり鍛え上げていこうと取り組んだ。それが最後遂行できてウインターカップで結果を残せた」と、夏のインターハイの敗戦、そして日清食品トップリーグを通じてチームの成長につながったことを語った。

　創部以来初のウインターカップ連覇を果たした福大大濠。昨年と今年の優勝に違いはあるか問われた吉岡は「去年はつなぎで出るくらいのプレータイムで、それでも日本一になった時は本当にうれしかったですけど、今年は主力としてプレーして自分たちの手でつかみ取ったということもあって、本当に心の中でうれしさが全然違うなって」と、素直な気持ちを言葉にした。

　また、吉岡は大会ベスト5にも選出された。「もうなんか、めっちゃびっくりしました」と驚きを隠さなかったが、準決勝の鳥取城北高校との試合では20得点を挙げるなど、優勝に大きく貢献したことが評価されたと言える。「決勝もそこまでオフェンスでは貢献できてなかったし。でもこの大会を通して相手のキーマンを抑え続ける役割だったり、昨日の試合（準決勝）で当たっていたのもあって要所で決めきることができたり、今までやってきたこと、当たり前にやってきた努力が認められたようでうれしかったです」と、喜びを噛みしめた。

　福大大濠の片峯聡太ヘッドコーチは、試合後のコート上でのインタビューで「本当に自慢の3年生です」とコメントするほど、インターハイの敗戦から這い上がり、ウインターカップ連覇を果たした3年生とチームを高く評価した。吉岡にとって高校生活最後の大会となったウインターカップ2025は、忘れられない大会になったことだろう。