2025.12.24
12月23日、高校バスケの真の日本一を決める「SoftBank ウインターカップ2025 令和7年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が開幕。京王アリーナTOKYOで行われた男子1回戦には、連覇を狙う福岡大学附属大濠高校(福岡県)が登場した。兵庫県代表の報徳学園高校を84-41で下し、盤石のスタートを切ったこの試合で、全国のバスケファンが熱い視線を送ったのが、福大大濠の1年生スタメン、白谷柱誠ジャックだ。
中学時代から日本代表の育成キャンプにも招集され、今夏は八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)が主催した『BLACK SAMURAI 2025 THE CAMP』で八村自身から直接指導を受けるなど、次世代の日本バスケ界を担う逸材として注目を集めてきた白谷。自身初となるウインターカップのコートでは、約24分の出場で13得点6リバウンドをマークした。194センチの長身ながらスムーズなタッチで沈めた3ポイントシュートや、スティールからの独走レイアップなど、その多才なポテンシャルを大舞台で存分に披露した。
試合後、メディア対応した白谷は「やっぱり入った瞬間から、中学生のときとはまた別の、圧倒されるような雰囲気がありました。少し緊張もしました」と、初々しい笑顔を見せた。
白谷にとって、会場となった京王アリーナTOKYOは非常に思い入れのある場所だ。中学時代、Jr.ウインターカップで日本一を争った馴染みのあるコートである。「この体育館には中学時代のいろいろな思い出が詰まっていますが、今日ここでまた新しい、高校生としての思い出が作れたんじゃないかなと思います」と、巡り合わせをしみじみと語った。
中学の大会と比べて、演出や開会式の雰囲気の違いを問われると、白谷は力強く答えた。「やっぱり、日本のバスケットの大会の中で一番盛り上がっていると言っても過言ではない大会だと思うので。この大会でしっかり結果を残したり、活躍する選手がプロになったり海外に挑戦したりすると思うので、自分もこの大会で結果を残せる選手になりたいなと思っています」
福大大濠に入学してから約9カ月。故障のためにコートに立てない時期もあったが、順調な進化を遂げていると言えるだろう。特に今大会、チームが掲げている「40分間落ちない守備の強度」において、白谷のディフェンス力は欠かせないピースとなっている。特筆すべきは、194センチというサイズがありながら、相手のスピードスターに対しても一歩も引かずに守り切るフットワークだ。そのルーツについて、本人はこう明かす。
「中学のときから、『自分より小さい選手にもしっかりつけるように』という指導をずっと受けてきました」
その取り組みが、よりスピードやパワーが求められる高校のステージに入ってからも、自分の大きな強みとして生きていると言える。この試合のような高い強度を保つディフェンスの中で、スティールやブロックといったスタッツに残るプレーでチームに貢献できている。
オフェンス面では、現在は3番や4番のポジションを任されており、ドライブの幅やスピードを磨き、外角からのシュートの精度を高めている最中だ。
片コーチチから日々言われているのは、「自分が『生きる』ために、もっとリングにアタックしろ」ということだという。「むしろ『エゴを出せ』ということですか?」という記者の問いに、白谷は「はい、逆に出してほしいと言われています」と答えた。自分が行くべきときはしっかり行く。その積極性こそが、チームが求める姿勢なのだ。
「中学時代に比べて、フィジカル面はもちろん、バスケットボールという競技をより深く理解する戦術的な部分も、大濠に入ってから全然変わりました。日々のシューティングでも、一本一本のシュートにこだわる集中力が変わったと思います」
福大大濠は今夏のインターハイでは準々決勝敗退、秋の福岡県予選でも2位通過と、苦しい時期を過ごしてきた。「自分たちは今大会、リベンジャーとして臨んでいます。優勝という結果は、今の自分にとって最も必要なものです。1年生だからという甘えはなく、連覇という目標に向けて自分の役割を100パーセント全うしたい」
名門のプライドと期待を一身に背負い、背番号15はさらなる高みへと駆け上がる。同校初の全国大会連覇に向けて、その存在感を大きくさせていくだろう。
文=入江美紀雄
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