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『B MY HERO!』
流れを大きく引き寄せるワンプレーだった。
大阪薫英女学院高校(大阪府)と桜花学園高校(愛知)との間で行われた「SoftBank ウインターカップ2025 令和7年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」女子決勝戦。一時は10点のビハインドを負いながらも、大阪薫英女学院は第4クォーターで桜花学院を捉える。しかし、そこからは試合は1点を争うような展開に。
だが、残り時間約2分、重い空気を振り払うかのように大阪薫英女学院は細澤幸生(2年)が鮮やかに速攻を決める。これで大阪薫英女学院がリードを4点にすると、その後もリードを維持したまま試合は進み、最後は66-61で勝利。大阪薫英女学院がウインターカップ初制覇を達成した。
「(ディフェンスリバウンドで)マイボールになったときに自分の前のラインが空いてたし、走った瞬間に同い年の松本(璃音)選手と目が合ったので、確実にパスが来るなと思って、絶対決め切ろうという気持ちで走っていました」
速攻のシーンをこのように振り返った細澤は、さらにこう語る。「今大会は前半良くて後半に落ちてしまうというのが課題で、前日の作戦会議でも後半止まらずに走り続けようという話になりました。それに後半の20分しか3年生の方たちと一緒にプレーすることができないから、とにかく走り負けしないことを意識していました」
決勝では1試合を通して常に走ることを意識していたという細澤は、大阪薫英女学院が戦った全6試合でスターターとして出場。2回戦を除けばほかの5試合は36分以上の出場で、そのうち2試合は40分のフル出場と、チームにとって欠かすことのできない存在としてタフに戦い抜いた。
決勝では速攻だけでなく、12本を奪ったリバウンドも光ったが、このリバウンドについては、「私はそこでスタートに抜てきされていると思っているので、絶対にリバウンドは自分が一番取ろうという気持ちでプレーしています」という。
加えて、3回戦の日本航空北海道高校(北海道)ではエースの庵原有紗(3年)、準決勝では京都精華学園高校(京都府)の石渡セリーナ(3年)、そして決勝では桜花学園の勝部璃子(2年)と、相手のエースへのディフェンスでの貢献も大きかった。
「庵原さんや石渡さんに勝部さんと、私がついたときは1点も取らせないという気持ちでディフェンスをしました。大会を通してディフェンスとリバウンドはいつも通り求められていることができたと思います。それと、それ以上にオフェンスで自分からリングアタックしたり、外からのシュートも決め切ることができたので、今大会で成長できたかなと思います」と、大会を通して得た手応えに笑顔を見せた。
1年生のころから試合経験を重ねている細澤だが、彼女にとってよりレベルアップへとつながったのが秋に活動したU16女子日本代表での経験だ。
同チームではキャプテンを任され、2025年の9月末には「FIBA U16女子アジアカップ2025」に出場。大会中のケガで出場は2試合に留まったが、「代表に選んでもらい、しかもキャプテンをやらせていただいたことで、コートの中でよく話すようになりましたし、代表活動を通してリーダーとして引っ張る力、みんなを鼓舞する力が付いたと思います。あとは、外のシュートを練習し、国際大会でも決めることができたことで、今回のウインターカップでも思い切って(外角シュートを)打てたのかなと思います」と、日本代表としての貴重な経験を語った。
細澤はまだ2年生。新チームでは最上級生として今まで以上にチームをけん引する立場となる。細澤とともにウインターカップでもスターターを務めたガードの松本や今大会で台頭したフォワードの原乙羽といった同級生、そして気持ちの強い1年生の大槻佳子など頼もしい仲間たちは周りに多い。
「みんな闘争心が表に出ていて、練習中から(大阪人間科学大学の)大学生の方を相手にしても思い切ってプレーしています。どちらかというと私が一番受け身に回ってしまうのですが、そこはいいバランスかなとも思いつつ、絶対にウインターカップで2連覇したいと思っているので、同い年に負けないぐらい、それ以上に気持ちを出して勝ち進んでいきたいと思っています」
自チームに日本代表と様々な試合を経て確実に成長を続けている細澤。数字に表れない貢献も大きい彼女は、ウインターカップで得た収穫とともに最終学年となる来年に向けて気持ちを新たにしていた。
文=田島早苗