2019.02.06
リバウンドを制するものは試合(ゲーム)を制す——。
栃木ブレックスが京都ハンナリーズを71-62で退けた「第94回天皇杯・第85回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」の男子準決勝は、まさにこの格言どおりの内容になった。
40分間でのディフェンスリバウンドは両チームともに「30」と互角。しかし、オフェンスリバウンドを見ると、京都がわずか5本に対し、栃木は「20」を数え大きく差をつけた。つまり、京都より少なくとも15回は多く攻撃チャンスを得たということになり、安齋竜三ヘッドコーチも「ビッグマンが毎回オフェンスリバウンドに絡んでくれるのはうちの強み」と胸を張る。
もっとも、両チームのリバウンド数は今季のリーグ戦のデータ(第18節終了時点)からも見て取れ、栃木が1試合平均39.3本で1位、一方の京都は31.7本でB1最下位とその差が浮き彫りになっていた。京都の浜口炎ヘッドコーチも、それを見越して外国籍選手2名のエントリーを変更してきた。大阪エヴェッサとの準々決勝ではジュリアン・マブンガとデイヴィッド・サイモンだったが、準決勝はマブンガではなく、よりインサイドで体を張れるシャキール・モリスを登録。だが、相手の強みは止められなかった。
この試合、リバウンドで栃木を救ったのはジェフ・ギブス。計16本中8本のオフェンスリバウンドをもぎ取り、勝利の立役者となった。188センチながら、110キロという強靭な肉体と長いウィングスパンを駆使してゴール下に君臨するギブスは、第1クォーターで2つのオフェンスリバウンドを記録。3ポイントで2点差まで迫られた第3クォーター終了間際には、リバウンドからそのままタップシュートを沈めて嫌な流れを断ちきった。最終クォーターでは4本のオフェンスリバウンドを奪い、さらには残り5分に自身のスティールから速攻を生みだし点差を10点に広げるダメージを与えた。
「外国籍選手が予想していたラインナップと違ったので、徐々にアジャストしていった。(試合前に)インサイドで攻めてくるだろうとチームで話したので、そこをしっかり止めることにフォーカスして臨みました」(ギブス)
京都はエースをエントリーから外してまでもインサイドで対抗しようとしたが、モリスのマークマンでもあった栃木のパワーフォワードが立ちはだかった。試合後は「オフェンス面では(2ポイントが)11分の2と確率が悪く、納得がいっていない部分がある」と振り返ったが、「ディフェンスではリバウンドと相手にタフショットを打たせたので仕事ができた」と手応えを口にしたギブス。「チームメートには『オープンになったら迷わず打て』と言っている。外れたら(インサイドの)自分たちがリバウンドを取れればいいと思っているので、自信を持って打ってほしい」と頼もしい言葉も口にした。
栃木は13日、天皇杯初優勝を懸け千葉ジェッツと激突。トヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)在籍時に同大会優勝を経験している38歳の大ベテランは、「今日よりもいいパフォーマンスをしなければいけない。オフェンスでもシュートをしっかり決めていかないといけないし、自分たちで流れを逃すようなターンオーバーをしていては勝てない」と気を引き締めた。
文=小沼克年
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