2020.10.24
10月21日、滋賀レイクスターズと琉球ゴールデンキングスの一戦がウカルちゃんアリーナで行われ、77-89で滋賀が敗れた。
試合は序盤から琉球がペースを握り、得点を重ねていく展開に。滋賀は相手のフィジカルを生かしたプレースタイルに圧倒され、攻守両面で苦しみなかなか得点を挙げられず、31-42と11点のリードを許して後半へと進む。気を取り直して臨んだ後半は、ジョナサン・オクテウスが2本のスリーポイントシュートを沈めて43-49と一時6点差まで追い上げることに成功。しかし、それ以上の反撃は叶わず、徐々に差が開いていき、結局77-89と敗れる形となった。
オクテウス、ジョーダン・ハミルトン、アンガス・ブラントという3人の外国籍選手が揃い踏みとなった初のホームゲーム。それだけに、琉球という強豪相手でも白星を奪いたいところだったが、ジャック・クーリー、ドウェイン・エバンスら琉球の外国籍選手に圧倒されてしまい、ホーム2勝目は挙げられなかった。
この試合で勝敗を分けるポイントとなったのは、「フィジカルの差」だろう。琉球は日本人選手がフィジカル勝負と言わんばかりに、相手の自由を奪うべく体を張ったディフェンスを披露。オフェンスでは昨シーズンリバウンド王に輝いたクーリーがインサイドを完全に制覇し、ペイント内での得点は40、リバウンドは46と圧倒した。
対する滋賀は、「相手のフィジカルに自分たちが消極的になってしまった。向こうのフィジカルに驚いたような形で日本人選手の何名かが消極的になってしまった」とショーン・デニスヘッドコーチが振り返ったとおり、フィジカルの差がそのままスコアに直結した。
この日、25得点とチーム最多得点を挙げた滋賀のハミルトンも、「本当にタフでフィジカルなゲームだった。エバンス選手、クーリー選手に簡単にリバウンドを取らせてしまい、セカンドチャンスポイントをたくさん許したところが敗因だと思う」とコメント。強豪相手にフィジカルの差をまざまざと見せつけられた形となった。
しかしながら、フィジカルの差は簡単に埋められるものではない。琉球のようなチームに今後どのように対抗すべきなのか。デニスHCは「体を張るべきところで手が出てしまった。琉球が体を張っているところで自分たちは手が出てしまっているので、そこは同じようにやらないといけない」と話し、体を張ることが今後強豪相手に対抗していくカギになるとした。
この試合で強豪チームの『スタンダード』を見せつけられた滋賀だったが、明るい兆しも見え始めている。オクテウスは独特のリズムで相手DFを翻弄し、インサイドへのアタックやスリーポイントシュートなど多彩な技を披露している。ハミルトンは、時には自ら仕掛けて得点を重ね、時には味方へアシストパスを送るという状況に応じたプレーの選択が魅力的。ブラントは、恵まれた体格を生かしてリバウンドやポストプレーなどに奮闘している。この3人のコンディションが向上すれば、相手にとって脅威的なチームになるだろう。
ロースターが揃ってまだ3試合しか戦っていない。そう考えると、チームとしての連係がうまくいくようになれば、強豪相手でも堂々たる試合ぶりを披露できるのではないだろうか。デニスHCは「これまで指導してきた中で、これだけ外国籍選手が早くチームに溶け込むことはなかった。今後もっと良くなっていくはず」とコメントしている。現在2勝5敗と負け越している滋賀だが、今後の巻き返しに期待したい。
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