2022.05.12

【チャンピオンシップ出場チーム紹介⑥】名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(西地区3位)

ディフェンス力を高め、CSの舞台に戻ってきた名古屋D [写真]=B.LEAGUE
ライター・カメラマン

 レギュラーシーズン上位8チームによる「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2021-22」がいよいよ幕を開ける。出場チーム紹介第6回目は名古屋ダイヤモンドドルフィンズ。3年ぶりにCSの舞台へ戻ってきたチームを紹介する。

 西地区3位で、2018-19シーズン以来3年ぶり3回目のチャンピオンシップに挑む名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

 平均得点は87.4点でリーグ3位。アシストはリーグ2位の23.7本、3ポイントシュート成功率は同4位の36.7パーセントと、オフェンス面での好調さが際立つが、今季の名古屋Dの強さは足を使ったハードなディフェンスが支えている。
 
 ショーン・デニスヘッドコーチは「すべてはディフェンスから始まる」とシーズンを通して言い続けてきた。マンツーマンと2種類のゾーンディフェンスを織り交ぜるチェンジングディフェンスの構築に取り組み、「この1カ月くらいで噛み合ってきた」(デニスHC)、「完成度は100パーセントに近い状態」(齋藤拓実)との手応えを得ている。

 ディフェンスでの遂行力の高さを如実に表しているのがスティール数だ。昨季は1試合平均5.3スティールとリーグで2番目に少なかったが、今季はビッグマンも加わるオールコートのプレスディフェンスで同8.6スティールと大幅にアップした。これはサンロッカーズ渋谷(同8.9スティール)、秋田ノーザンハピネッツ(同8.8スティール)と、アグレッシブなディフェンスを信条とする2チームに次ぐ3位の数字。昨季まで目指してきた“リーグで最も速いバスケット”にスティールという武器が加わり、効率よく得点を重ねられていることが、結果としてリーグ屈指の得点力を生んでいる。

 クォーターファイナルで対戦する川崎ブレイブサンダースは、ビッグラインナップを強みとしているだけに、4月以降欠場が続いているコティ・クラークオヴィ・ソコの状況は気になるところ。特にクラークは1試合平均17.1得点6.3リバウンド4.1アシスト、3ポイントシュート成功率は41.1パーセント。さらにスティールは、出場試合数の関係でリーダーズには入っていないものの、リーグ1位に相当する平均1.6本と攻守両面での貢献度が高く、彼の出場の有無はキーファクターの一つになりそうだ。

 一方、外国籍選手がスコット・エサトンのみという難局で、張本天傑菊池真人中東泰斗らがステップアップし、第35節で琉球ゴールデンキングスに勝利したことは大きな自信につながっている。

 2年連続で3ポイント王に輝いた、キャプテンの狩野祐介は「ケガ人が増え、少ないメンバーで戦い出してから、一人ひとりの意識、戦い方が変わってきた。苦しい状況でも勝っているし、成長しているので、(ケガ人が)帰ってきたらよりプラスになる」と苦境を経て、チーム力が高まったと話す。

 過去2度出場したチャンピオンシップは、いずれもクォーターファイナルで涙を飲んだ。今季こそ厚い壁を破り、セミファイナルの舞台、そしてその先へ。ポテンシャルは十分に持っている。必要なのは「自分たちが高いレベルにあることに気がついて、それを信じること」(デニスHC)だけだ。

 キープレーヤーはアジア特別枠として今季加入したフィリピン出身のシューティングガード、レイ・パークスジュニアだ。抜群のクイックネスとフィジカルの強さを兼備し、アグレッシブなドライブで強固なディフェンスをこじ開けて、得点やボールムーブの起点となる。サウスポーから放たれる3ポイントシュートも38.7パーセントと高確率だ。ディフェンスでもフィジカルな対応ができ、外国籍選手にも当たり負けしない。ケガ人の不透明な中、張本とともにスモールフォワードとパワーフォワードの両方で起用できるオールラウンダーの存在は心強い。

攻守両面での活躍が期待されるレイ・パークスジュニア [写真]=B.LEAGUE

文=山田智子

■クォーターファイナル(vs 川崎ブレイブサンダース @とどろきアリーナ)
第1戦:5月14日(土)18:05開始
第2戦:5月15日(日)16:05開始
第3戦:5月16日(月)19:05開始※結果により開催されない可能性あり

■ロスター
・名古屋D(HC:ショーン・デニス)
小林遥太
レイ・パークスジュニア
齋藤拓実
伊藤達哉
コティ・クラーク
菊池真人
張本天傑
須田侑太郎
中東泰斗
オヴィ・ソコ
中務敏宏
シェーン・ウィティングトン ※インジュアリーリスト
狩野祐介
スコット・エサトン
坂本聖芽 ※特別指定

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