2022.05.15
レギュラーシーズン上位8チームによる「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2021-22」がいよいよ幕を開ける。出場チーム紹介第3回目は川崎ブレイブサンダース。シーズン終盤、ホーム開催権を得られる東地区2位に浮上したチームを紹介する。
Bリーグ初年度以来、1度もポストシーズン進出を逸していない川崎ブレイブサンダースだが、今シーズンは新加入のマット・ジャニングに故障が出たり、パブロ・アギラールが個人的な事情で一時帰国。また複数の選手に新型コロナウイルスの陽性者が出るなどの影響もあって、苦戦した。
とりわけ2月以降は群馬クレインサンダーズや信州ブレイブウォリアーズ、秋田ノーザンハピネッツといった順位が下の相手にも白星を取りこぼしてしまい、順位を上げられず。シーズン終盤まで東地区3位と、ポストシーズンでのホーム開催が得られない位置にいた。
それでも、手負いのアルバルク東京相手の連勝も含めシーズンを7連勝で終え、同地区2位に浮上した。最後は準優勝に終わったBリーグ初年度の2016-17シーズン以来、ホームでCSを迎えることとなった。
毎年、優勝候補に挙げられながら初年度以来、ファイナル進出を逃し、勝負弱さを指摘されてきた。チームの面々にもそれに対する鬱憤はあるはずだ。だが、ニック・ファジーカスや攻守で安定する外国籍選手3人、エースとしてのすごみを増す藤井祐眞らを有したチームは、客観的に考えれば頂点を狙える力量がある。
外国籍選手2人と帰化選手のファジーカスの3人を同時にコートに立たせる“ビッグラインナップ”は昨季から使っているが、今シーズン終盤はガードを1人だけにしたさらに“ビッグ”な先発ラインナップを組む試合もあった。川崎の最大の強みは試合の状況に応じて選手を使い分けられることだ。CSでもここが肝となる。
懸念を挙げるとすれば、勝負所でシュートを決められるかどうかだ。昨シーズンまでと同様、このチームはアシストと3ポイントシュートが多い(今シーズンはアシスト数、3ポイントシュート成功数ともにB1トップ)のだが、ボールを回しすぎてきれいに決めようとしすぎるきらいもあり、チャンピオンシップのような大舞台で必要な、強引にでも得点にいくというところがやや薄く感じられることもある。
しかし、上述のようにスコアラーとしての成長著しい藤井が、その強引さをもたらしてくれるのではないか。キャプテンでもある彼がCSでカギとなる選手だ。
シーズン終盤の4月。秋田には最大19点差を跳ね返され、最後はブザービーターで破れた。また宇都宮ブレックスとの試合では相手のトラップディフェンスでペースを握られ、やはり黒星を喫した。こうした苦い経験をしたことは、CSへ向けてむしろチームの良薬となるかもしれない。
今シーズンのCSでは、クォーターファイナルでまずは名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦する。ポストシーズンでの受難を払拭することはできるか。
文=永塚和志
■クォーターファイナル(vs 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ@とどろきアリーナ)
第1戦:5月14日(土)18:05開始
第2戦:5月15日(日)16:05開始
第3戦:5月16日(月)19:05開始※結果により開催されない可能性あり
■ロスター
・川崎(HC:佐藤賢次)
藤井祐眞
篠山竜青
増田啓介
前田悟
鎌田裕也
綱井勇介
ニック・ファジーカス
マット・ジャニング
熊谷尚也
長谷川技
パブロ・アギラール
ジョーダン・ヒース
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