2023.05.13
レギュラーシーズン上位8チームによる「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」がいよいよ幕を開ける。出場チーム紹介第3回目は、3年ぶりの地区優勝を果たした川崎ブレイブサンダースをピックアップする。
文=永塚和志
Bリーグ初年度から連続でのポストシーズン進出とはなったものの、苦難の1年となった。
まず、主力の1人であるマット・ジャニングが故障で24試合のみの出場にとどまったことが何よりも痛かった。昨シーズンのMVP、藤井祐眞も前半は波に乗れなかった。それにより37歳のベテラン、ニック・ファジーカスの平均出場時間が前年よりも2分以上伸びるなど、負担がかかってしまった。
しかしながら、元NBA選手でBリーグ初年度のMVPの力量は相変わらず高く、スピードが落ちているにもかかわらず正確無比な3ポイントや得意のフローターで得点を積み重ね、またアウトサイドからのアシストパスで味方を生かすなど、大黒柱としてけん引した。
ただ、主力を欠いたこと、また日本人選手で大きく飛躍をした選手が現れなかったことで、攻守でチームとして機能させるのには苦戦したと言わざるをえない。結果、平均得点は前年の88.2から82.5へ、同失点は76.7から78.0へと落ちてしまった。
CSではディフェンスでどれだけ我慢ができるかがカギになってくるだろう。シーズン中は、コアメンバーを欠いたこともありゾーンを多用することも多かったが、要所で効果的に織り交ぜながら相手を混乱させ、自分たちのペースに持ち込みたい。
チームはもう1人の外国籍、マイケル・ヤングジュニアもシーズン終盤の負傷でポストシーズン出場は絶望的と、ますます厳しい状況に置かれている。オフェンスではファジーカス、シーズン後半から調子を上げてきた藤井以外のスコアラーが複数出てくるのが勝ち上がりのための必須条件となるだろう。
ジャニング不在の得点力不足を補う意味もあって、藤井からバトンを受けて2番手ポイントガードとして出てくる頻度も試合を経るごとに増えていった。スピードを生かしたドライブインとそこからのキックアウトパス、また自らの3ポイントというところが持ち味。経験を積むごとに視野も広がりつつあり、終盤はアシストの数も増えていった。
アグレッシブさは売りではあるが、時に不要なターンオーバーがあるのが課題だ。そのため、勝っている場面でチームは、藤井とベテランの篠山竜青で試合を締めるすることが多い。納見が緊張感のあるCSの極面で起用されるか否かは、どれだけミスを少なくできるかにかかってくる。
いずれにしても、藤井と並ぶコンボガードの納見のパフォーマンスが、川崎がどこまでトーナメントを勝ち進めるかのカギを握っている。
■クォーターファイナル(vs横浜ビー・コルセアーズ@川崎市とどろきアリーナ)
第1戦:5月13日(土)16:05開始
第2戦:5月14日(日)16:05開始
第3戦:5月15日(月)19:05開始※結果により開催されない可能性あり
■ロスター
・川崎(HC:佐藤賢次)
藤井祐眞
マイケル・ヤングジュニア
篠山竜青
増田啓介
前田悟
鎌田裕也
納見悠仁
ニック・ファジーカス
マット・ジャニング
熊谷尚也
長谷川技
ジョーダン・ヒース
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