2023.05.13
レギュラーシーズン上位8チームによる「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」がいよいよ幕を開ける。出場チーム紹介第1回目は、圧倒的な強さでレギュラーシーズンを駆け抜けた千葉ジェッツをピックアップする。
文=永塚和志
自らがたたき出した2018-19シーズンの.867を上回る、.883(53勝7敗)という驚異的な勝率をたたき出し、2度目のリーグ制覇へ向けて視界は明るい。
今シーズンはジョン・パトリック氏という新指揮官を迎え、序盤は彼の目指すプレースタイルへの順応にやや苦戦したところもあったが、強度の高いディフェンスからのトランジションバスケットボールは時間を経て浸透。平均得点はB1トップの87.9、失点も同5位の74.8をマークするなど、攻守でスキのなさを示した。
チームの起点かつ中心が富樫勇樹だったこと自体は前年までと変わらなかったが、彼以外にもタレント揃い。ボールハンドラーが複数いて、ポジションレスなゲームを展開しながらいかなる相手や試合の状況にも対応できる強さが、戦績につながった。
大倉颯太や二上耀らに大きなケガがあったものの、小川麻斗らほかの若手の飛躍もあって、層の厚さを保持し続けた。そのおかげで選手を頻繁に交代させつつ、ディフェンスの強度と試合のテンポは変わることなく、強さを維持した。
常勝軍団ではあるものの「受け」ではなく「攻め」のバスケットボールに徹した。ハッスルする選手が多くオフェンスリバウンドが多い(平均13.2本はB1で3位)こともあって、3ポイントを多用する(平均試投数32.1本は同1位)。
29歳となり司令塔として成熟している富樫はゲームメークやリーダーシップでも一段回上のレベルに達した。他方、彼自身の勝負強さにも磨きがかかり、チームが「勝ちきる」ことができた原動力となった。
攻撃面では、201センチのビッグマンながらドリブル、3ポイント、リバウンドと内外でのスキルを備え、富樫が徹底マークされるときにはポイントフォワード的な役割でボール運びもしている。
1対1に強いことから彼に広くスペースを与えて攻めさせて、そのまま得点させたり、相手がダブルチームにきたらオープンになった選手へパスするなど、チームオフェンスに幅を持たせる「ディファレンスメーカー」となった。
腕の長さとアジリティを生かしたディフェンスも卓越しており、ポイントガードから場合によってはセンターまで守ることができる。2月の横浜ビー・コルセアーズ戦では、ポイントガードの河村勇輝とマッチアップして相手のオフェンスを停滞させる場面もあったが、とりわけシーズン後半はこのようにエースストッパーの役割を担うことも増えた。
原修太のディフェンスもパトリックHCからの評価がすこぶる高いが、CSではローが千葉優勝のカギを握ると見る。
■クォーターファイナル(vs広島ドラゴンフライズ@船橋アリーナ)
第1戦:5月13日(土)15:05開始
第2戦:5月14日(日)15:05開始
第3戦:5月15日(月)19:05開始※結果により開催されない可能性あり
■ロスター
・千葉J(HC:ジョン・パトリック)
富樫勇樹
小川麻斗
ヴィック・ロー
高橋克実 ※特別指定
二上耀
西村文男
大倉颯太
佐藤卓磨
ギャビン・エドワーズ
ラシードファラーズ
荒尾岳
原修太
ジョン・ムーニー
クリストファー・スミス
米山ジャバ偉生
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