2024.09.27

【B1クラブ展望/島根】エース離脱もWキャプテンは健在…防御力がアップしてチーム力増強に成功

チーム力アップに成功した島根 [写真]=B.LEAGUE
バスケットボールコメンテーター

 昨シーズンは2人のビッグマン、帰化のニカ・ウィリアムスと控え外国籍のハッサン・マーティンが多く欠場し、思うようにシーズンの激しい流れをコントロールすることが難しい状況に。さらにB1の全クラブからと言っていいくらい島根のBIG3、安藤誓哉ニック・ケイ、そしてペリン・ビュフォード信州ブレイブウォリアーズへ移籍)に対して激しい包囲網を敷かれ、心身ともに削られ続けながらあと一歩のところでCS進出を逃した。このBIG3の中心となっていたビュフォードを放出し、稼働率が低くかったビッグマン2枚を入れ替えるという、数年ぶりに大きくテコ入れをしたロスターで新シーズンに臨む。

 とはいえ、チーム作りは一からやり直しということではなく、その中心には安藤とケイのダブルキャプテンがどっしりと腰を据えいる状況に変化はない。加えて、期待十分の新戦力がそろっており、2シーズンぶりのCS出場はもちろんのこと、リーグ制覇を目指すことに変わりはないだろう。

 日本人選手で新加入となった川崎ブレイブサンダースから移籍の納見悠仁は、特別指定選手として最初にプロの世界に足を踏み入れたのが島根だったことから、元々ゆかりのある選手。帰化枠のエヴァンスルークもコロナ禍で1カ月強の僅かな期間ではあるもの島根に在籍経験のある。この2人に加えて、得点源として期待されるコティ・クラーク三遠ネオフェニックスから移籍)、インサイドの厚みを増すための純粋なフィニッシャー&リムプロテクターのジェームス・マイケル・マカドゥ(サンロッカーズ渋谷から移籍)が加入。また、ルーキーイヤーとして島根を選んだ横地聖真(筑波大学出身)のポテンシャルはとてつもない可能性を秘めている。

 前述したように、ラインナップだけ見れば、十分に西地区の首位争いができる構成だと感じられる。指揮官は4シーズン目を迎えたポール・ヘナレヘッドコーチ。就任2シーズン目から常々言及しているディフェンスの強度という点では、今シーズンが島根の歴史でもトップクラスのディフェンシブチームになるかもしれません。ビッグラインナップをいくつかのパターンで敷けること、ビッグラインナップでも機動力を担保できることが要因となるが、チーム戦術の理解度が深まるまでの時間を得点力の爆発力で乗り切るだけのオフェンス力も兼ね備えていると見ている。

 ダブルキャプテンの2人、新加入の4選手の活躍が勝利に必要なのは間違いないが、個人的には、継続メンバーの日本人選手がカギとなりそうだ。津山尚大白濱僚祐谷口大智北川弘、そして、ワイリー光希スカイの5選手が求められた役割を高い水準でこなす日々を過ごせれば、チームとしての完成度が高まる速度は増し、戦い方に昨シーズンまでとは異なる厚みと深みが出るはず。

■KEY PLAYER/PF #3 コティ・クラーク

クラッチタイムでの勝負強さは必見 [写真]=B.LEAGUE


 Bリーグ在籍3シーズンで3P成功率が39.19パーセント、2P成功率が53.59パーセント、フリースロー成功率が81.04パーセントとシュート力はもちろんのこと、それを発揮する局面も様々なパターンからリムを狙うリーグ屈指のスコアラー。オフェンス特化型にも間違いなくなれるのだが、チームプレイヤーであり、ディフェンス面での貢献度の高さも彼を語るには欠かせない要素で、今季の島根で組めるどのラインナップでも存在感を発揮するはず。

 ポストアップからのピボットワークや、ミッドレンジでのバックボードの使い方は秀逸の一言に尽きる。名古屋ダイヤモンドドルフィンズ三遠ネオフェニックスに在籍時よりはおそらく少しスローダウンするペースの中で、支配力が逆に高まる可能性もあり、クラッチタイムでの勝負強さは必見だ。

文=朴航生

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