2017.12.26

“夏の王者”岐阜女子が準々決勝で散る! 安江コーチ「ウインターカップとはこういうもの」

安城学園に敗れ、準々決勝で姿を消したインターハイ王者の岐阜女子 [写真]=兼子慎一郎
バスケットボールキングプロデューサー(事業責任者)。学生バスケをテーマにしたCM制作に携わったのがバスケに関する初仕事。広告宣伝・マーケティング業務のキャリアが一番長いが、スポーツを仕事にして15年。バスケどころの福岡県出身。

 12月26日、東京体育館にて「ウインターカップ2017 平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子準々決勝が行われ、岐阜女子高校(高校総体1/岐阜県)が安城学園高校(愛知県)に79-105で敗れる波乱が起きた。岐阜女子は夏のインターハイを制覇し、愛媛国体でも単独チームで出場。5年ぶりの優勝を果たしており、今大会を制すれば史上9校目となる高校3冠の栄誉を手にするところであった。

 エースセンターであるバイ クンバ・ディアサンをケガで欠く中、序盤から苦戦。安城学園の2年生で、オールラウンダーの野口さくらを中心とした小気味良いバスケットボールに翻ろうされ、第1クォーターを15-23で終える。ゲームのリズムを作れない岐阜女子は第2クォーターからオールコートプレスを仕掛けるも、相手はこれをうまくいなして点差を広げていく。27-47と20点のビハインドを背負ってハーフタイムを迎えた。

 激しいプレッシャーで奪ったボールをキャプテンの石坂ひなたにつなぎ、アウトサイドの得点で追いあげる。しかし、序盤の劣勢を挽回するのに、エースセンターの穴はあまりにも大きすぎた。

31得点と奮起した石坂 [写真]=兼子慎一郎

 追い打ちをかけるように、シューティングガードの木下七美が負傷退場、ポイントガードの池田沙紀も5ファウルで退場と、さらに苦しい展開に。この厳しい状況を何とか打開しようと、ルーズボールに飛びこみ、リバウンドに食らいつくが、点差を縮められないまま時間だけが過ぎていく。

 最後まで諦めずに必死のプレーを見せたが、焦りからディフェンスのローテーションがちぐはぐになったり、懸命に奪ったリバウンドをすぐにパスミスで失ったり、女王らしさは影をひそめ、無念のタイムアップ。悲願の高校3冠は夢と消えた。

 試合後の取材に対し安江満夫コーチは「(クンバの欠場で)ディフェンスをやるしかなかったが、守りきれなかった」と語ると、クンバのケガについて「(自分たちの)初戦にアクシデントが起きた。(試合と試合の間の2日間で)準備をしたが、間に合わなかった。左ひざのケガだが、あまりいい状態ではない」と厳しい表情。彼女の欠場により、いつもの力が出せず、空回りも目立ったチームについては、「ウインターカップはこういうもんなんでしょう」と呟いた。

 準々決勝で、優勝候補筆頭に挙げられていた岐阜女子がコートを去った。ウインターカップ2017の頂点に輝き、女王の栄冠を手にするのはどこか。ますます熱い冬の大会から目が離せない。

文=村上成

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