2020.12.23

リバウンドを制した東京成徳大、精華女子相手に100点ゲームの圧勝

得点とリバウンドの両方でチームをけん引した青野[写真提供]=日本バスケットボール協会
フリーライター

 最終スコア117ー63。「SoftBankウインターカップ2020 令和2年度第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」初日の好カードの1つと目されていた精華女子高校(福岡県)vs 東京成徳大学高校(東京都)だったが、思わぬ差がついた。

 100点ゲームで相手をねじ伏せたのは東京成徳大。ともに高さでは全国レベルに劣るものの、スピーディーな展開を得意とする両チームの勝敗を分けたのは「リバウンド」だ。試合を通じてのリバウンド数は、精華女子の35本に対し実に65本ものリバウンドをもぎ取った。

 ゴール下を制する原動力となったのは、パワーフォワードの青野美玖(3年)。スターターを務める青野は、立ち上がりから献身的なディフェンスリバウンドに加え、次々とオフェンスリバウンドも拾って得点をマーク。序盤で12ー6と一歩前へ出ると、その後も自身のスティールからの速攻、バスケットカウントで点差を広げてチームを勢いづけた。

 第1クォーターで11得点8リバウンドを挙げた青野は、次の10分間でも10得点を稼ぎ前半だけで21得点9リバウンド。29点リードでスタートした後半は出場機会が限られスタッツは伸びなかったが、計23得点10リバウンド(オフェンスリバウンドは「5」)をマークし勝利の立役者となった。

 また、この試合は青野とともに2年生の古谷早紀も19得点10リバウンドを記録。これには青野も、「自分はもともとリバウンドやルーズボールに飛び込むことが得意なんですけど、古谷もだいぶリバウンドに飛び込めるようになりました。なので今は、よりリバウンドに行くのが楽しく感じています」と、後輩の活躍をうれしそうに話す。

青野以外の選手もリバウンドの意識が高い[写真提供]=日本バスケットボール協会


 東京成徳大は、大会前に行われた「2020 Tokyo Thanks Match」では八雲学園高校に1点差で競り負けており、ウインターカップへ向けてはさらなるレベルアップと自信回復が必要だった。「八雲学園にはシュート力の差で負けてしまいました。シュート力を身につけることと、シュートを打たせないために一人ひとりがディフェンスの意識を強く持つよう意識してきました」と青野。個人としても、「あの試合は納得のいくプレーができなかったので、 ウインターカップではその悔しさをぶつけられるように頑張りたいと思っていました」と明かす。

 その意欲が実を結び、自身のパフォーマンスとチームの圧勝劇につながったが、「今日の出来は……、とても良かったと思います(笑)」と、やや控えめだった青野。それでも最後は、「必ずメインコートに立って優勝できるように頑張ります」と力強く答えた。

文=小沼克年