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12月26日、「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」は大会4日目を迎え、この日は明日からのメインコートに立つ権利をかけた戦いとなった。
県立宇都宮工業高校(栃木)は、その権利をかけ北陸高校(福井)と激突。同校は3年ぶり10度目のウインターカップ出場を果たし、県予選では戦った5試合すべてで100点ゲームを記録した攻撃力を誇るチーム。24日の県立豊浦(山口)とのウインターカップ初戦でも106-93というハイスコアゲームを制している。
しかし、北陸との一戦では開始から追いかける展開が続き、第1クォーターを終えて20-30。前半終了時点で36-45と伸び悩むと、後半は全国常連校に力の差を見せつけられ最終スコア58-91で敗れた。
「前半は自分たちのバスケができていて粘れましたけど、後半は自分たちが走れなくなってしまい、やるべきことができなかったです」
そう話すのは、両チームトップとなる27得点を奪った大出雅輝(3年)。大出は安定したシュート力を武器に、豊浦戦では34得点を挙げる活躍を見せた選手だ。この日もコンスタントに得点を重ねていった背番号5だが、初戦で6本沈めた3ポイントは、11本中2本成功と精細を欠いた。もっとも、今年の宇都宮工業は、大出以外にも先発の津野裕俊、鈴木聡汰ら3年生4人を中心にどこからでも得点が取れることが強み。北陸との試合を終え、「1年生の頃からずっとやってきた仲間と最後まで諦めずに戦いました」と大出も胸を張る。
チームとしては、25日に対戦予定であった実践学園高校(東京)との試合が「不戦勝」という形になってしまった。大出によれば、その知らせを聞いたのは「当日会場に着いてからだった」という。気持ちを切り替えるのは、決して簡単なことではなかったはずだ。それでも、夏のインターハイを含めやっと踏み入れた全国の舞台。「北陸さんに勝てるよう、ミーティングを重ねて前向きに捉えました」と気持ちを入れ直し、メインコートを目指して戦い抜いた。
「3年間で一番の思い出は何ですか?」。試合後のミックスゾーンで問われると「このウインターカップです」と、大出は答えた。「この大きな舞台で点を取れたことは、次のステージでも力になると思います」。
この冬の2試合で残した61得点という記録は、これから大出にとっての大きな自信に変わる。
文=小沼克年