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6月4、5日の2日間にわたり、小田原市総合文化体育館(小田原アリーナ)にて「令和4年度関東高等学校男子バスケットボール大会 兼 第76回関東高等学校男子バスケットボール選手権大会」が開催された。
昨年同様、今大会も未だ新型コロナウイルス収束の見通しが立っていない状況を踏まえ試合数を軽減。全32チームがA・Bブロックに分かれて実施されたトーナメントは、3位決定戦と決勝戦は行わず、準決勝に勝利した全4チームが1位で大会を終えた。
初日から最終盤までもつれる接戦が繰り広げられたなか、各県の予選上位校が相まみえるAブロックは実践学園高校(東京都)と正智深谷高等学校(埼玉県)が3戦全勝。実践学園vs市立船橋高校(千葉県)の準決勝は40分で決着がつかず、56-56でオーバータイムに突入した。
この試合に勝てば、自チームが所属する都県にウインターカップ出場枠が1つ付与される重要な一戦。実践学園は1点リードで迎えた試合終了残り14秒、エースの堀内星河(3年)が1対1で相手を振り切って中へ侵入すると、フリースローライン付近からジャンプシュートをヒット。これが決勝点となり、62-59で激闘を制した。
最終戦で両チーム最多の23得点を挙げ、大会を通じても計62得点をマークした堀内だが、本人は「今大会はシュートタッチがあまり良くなかった」と振り返る。しかし、「周りの選手やコーチたちに『お前がエースなんだから打ち続けろ』と強く言われていたので、そのおかげで最後、決勝点を決めることができました」と試合後は自然と笑みがこぼれた。
実践学園と同じく3連勝を飾った正智深谷は、最終戦で八王子学園八王子高校(東京都)と対戦。このカードは前回大会の準決勝と同カードであり、昨年は八王子に軍配が上がった。そのため正智深谷は一層リベンジに燃えており、キャプテンを務めるルーニー慧(3年)は「去年は負けてしまったので、組み合わせが決まった時点から絶対リベンジしようと練習してきました。八王子戦は特に気合いが入っていましたし、チーム全体で思い切ってプレーしようと話していました」と明かす。
正智深谷2点リードでスタートした最終クォーターは息詰まる展開の連続となったものの、最後まで積極性を貫いた正智深谷が89-83で逃げ切った。
この試合、正智深谷はルーニーが「この2日間で一番いいプレーができた」と31得点11リバウンド10アシストの大活躍を見せたほか、シューターの田中祥智(3年)も8本の3ポイントシュートを射抜いて22得点をマーク。
全国各地でインターハイ出場校が続々と決定しているなか、関東地区はこれから夏の全国大会出場をかけた予選が本格的にスタート。6月11、12日には栃木県宇都宮市で女子の関東大会が開催予定だ。
ライバルたちとの熾烈な争いを制し、夏に笑うのは一体どのチームか。梅雨入りの発表に反抗するかのように、関東の高校バスケ界はさらに熱を帯びる。
写真・文=小沼克年