2022.06.07

熱戦続きの関東大会…男子Aブロックは実践学園と正智深谷が3戦負けなしでインハイ予選へ弾み

関東大会では熱戦が繰り広げられた[写真]=小沼克年
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 6月4、5日の2日間にわたり、小田原市総合文化体育館(小田原アリーナ)にて「令和4年度関東高等学校男子バスケットボール大会 兼 第76回関東高等学校男子バスケットボール選手権大会」が開催された。

 昨年同様、今大会も未だ新型コロナウイルス収束の見通しが立っていない状況を踏まえ試合数を軽減。全32チームがA・Bブロックに分かれて実施されたトーナメントは、3位決定戦と決勝戦は行わず、準決勝に勝利した全4チームが1位で大会を終えた。

 初日から最終盤までもつれる接戦が繰り広げられたなか、各県の予選上位校が相まみえるAブロックは実践学園高校(東京都)と正智深谷高等学校(埼玉県)が3戦全勝。実践学園vs市立船橋高校(千葉県)の準決勝は40分で決着がつかず、56-56でオーバータイムに突入した。

 この試合に勝てば、自チームが所属する都県にウインターカップ出場枠が1つ付与される重要な一戦。実践学園は1点リードで迎えた試合終了残り14秒、エースの堀内星河(3年)が1対1で相手を振り切って中へ侵入すると、フリースローライン付近からジャンプシュートをヒット。これが決勝点となり、62-59で激闘を制した。

 最終戦で両チーム最多の23得点を挙げ、大会を通じても計62得点をマークした堀内だが、本人は「今大会はシュートタッチがあまり良くなかった」と振り返る。しかし、「周りの選手やコーチたちに『お前がエースなんだから打ち続けろ』と強く言われていたので、そのおかげで最後、決勝点を決めることができました」と試合後は自然と笑みがこぼれた。

実践学園の堀内は市立船橋高戦で両軍最多23得点を挙げた[写真]=小沼克年

正智深谷はエース・ルーニー慧の活躍で昨年のリベンジ果たす

 実践学園と同じく3連勝を飾った正智深谷は、最終戦で八王子学園八王子高校(東京都)と対戦。このカードは前回大会の準決勝と同カードであり、昨年は八王子に軍配が上がった。そのため正智深谷は一層リベンジに燃えており、キャプテンを務めるルーニー慧(3年)は「去年は負けてしまったので、組み合わせが決まった時点から絶対リベンジしようと練習してきました。八王子戦は特に気合いが入っていましたし、チーム全体で思い切ってプレーしようと話していました」と明かす。

ルーニー慧は八王子学園八王子との対戦に並並ならぬ闘志を燃やしていた[写真]=小沼克年


 試合はその狙いどおり、正智深谷が第1クォーターで28-19とリードを奪って先手を取った。だが、第2クォーター以降は高さで勝る八王子が速攻からも得点を重ねてジリジリと点差を詰め、第3クォーター終盤に一時逆転に成功。

 正智深谷2点リードでスタートした最終クォーターは息詰まる展開の連続となったものの、最後まで積極性を貫いた正智深谷が89-83で逃げ切った。

この試合、正智深谷はルーニーが「この2日間で一番いいプレーができた」と31得点11リバウンド10アシストの大活躍を見せたほか、シューターの田中祥智(3年)も8本の3ポイントシュートを射抜いて22得点をマーク。

田中は8本の3ポイントシュートを沈めて勝利に大きく貢献した[写真]=小沼克年


「我々は留学生がいるチームに対して守るだけではなく、80点以上取らないと勝てません。この試合は大事な場面で走れましたし、シューター(田中)が打つべき場面で打って、エース(ルーニー)も安定してリングに向かっていたのですごくいいゲームでした」と、指揮を執る成田靖コーチとしても納得のいく内容で大会を締めくくった。

 全国各地でインターハイ出場校が続々と決定しているなか、関東地区はこれから夏の全国大会出場をかけた予選が本格的にスタート。6月11、12日には栃木県宇都宮市で女子の関東大会が開催予定だ。

 ライバルたちとの熾烈な争いを制し、夏に笑うのは一体どのチームか。梅雨入りの発表に反抗するかのように、関東の高校バスケ界はさらに熱を帯びる。

 写真・文=小沼克年

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