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インターハイ王者への挑戦権を手にしたのは船橋市立船橋高校(千葉)。最後まで粘りを見せた県立一関工業高校(岩手)を振り切り、2回戦へと駒を進めた。
最終スコア78−75。12月24日に行われた「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の初戦を競り勝った要因について、キャプテンの髙宮大翔(3年)はこう語る。
「前半から自分たちのペースにはなったんですけど、やっぱり全国大会という舞台なのでそのままいくことはなく、相手チームにもペースを握られてしまいました。でも、そこで心が折れずに自分たちのやるべきことをやったから最後の最後で勝ち切れたんじゃないかなと思います」
市立船橋が得意とするのは機動力を生かしたスピーディーなバスケットだ。高さで劣る分、粘り強いディフェンスから速攻を仕掛け、思い切りの良いシュートで勝機を見出す。この試合では最終的に3点差まで詰められてしまったが、試合終了残り1分半で2ケタリードしていても走り続けた結果であり、この点に関しては高宮も悔いはないと言い切る。「自分たちは小さいチームなので待っていてもしょうがないですし、自分たちから先手を打っていくというスタイルなので、それを最後までやり通せたのかなと思います」
この1年間、チームはインターハイや関東ブロックリーグなどの公式戦を通して「自分たちのバスケットを最後までやりきること」を追求してきた。「そこの練習を死ぬ気でやってきました」とキャプテンとして引っ張ってきた高宮も胸を張る。
明日の相手は、今夏のインターハイを制した王者・福岡第一高校(福岡)。文字通り“強敵”との対戦になるが、高宮、そしてチームメートたちは組み合わせが決まった瞬間からワクワクが止まらなかったそうだ。高宮は「自分としてはワクワクが止まらなかったです」と明かし、こう続けた。
「他のチームメートはちょっと落ち込んでるんじゃないかなと思って聞いたところ、やっぱりみんなもワクワクが止まらないみたいでした。正直ボコボコにされちゃう可能性もありますけど、最後までやり通したいなと思ってます」
市立船橋と一関工業のチームカラーは、両者ともに「緑」。市立船橋が挑む福岡第一も、さらにはトーナメントの同じ山に属する正智深谷高校(埼玉県)も緑である。「どこが“真の緑”なのかを争ってる気分です(笑)」と笑みを浮かべる高宮の様子から伝わるのは、やはりワクワクした気持ちだ。
12月25日の市立船橋vs福岡第一は、赤を基調としたウインターカップのコートに、鮮やかな緑が重なる。
取材・文=小沼克年