2022.12.27

エースとしての責務を全うした桜丘の土屋来嵐「大変でしたけど、やっぱり楽しい」…後継者・舘山洸騎へは「楽しんで」

高校生活最後の試合で奮闘した桜丘の土屋 [写真]=バスケットボールキング
フリーライター

 12月26日の「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」、桜丘高校(愛知県)は藤枝明誠高校(静岡県)に61−89で敗れて3回戦敗退。エースを張る土屋来嵐(3年)は、同じ東海地区で何度も対戦している藤枝明誠が高校最後の相手になったことを「何かの縁」と口にした。

「春に1回負けていて、東海リーグ(U18日清食品 東海ブロックリーグ2022)では勝った相手で、今年のチームになって初めて試合をしたチームも藤枝明誠さん。何かの縁があって戦うことができました」

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 この試合では大差で敗れたものの、今大会の桜丘は1、2回戦を僅差でものにして勝ち上がってきた。京都両洋高校との初戦は79−74、2回戦の報徳学園高校(兵庫県)戦では延長戦の末に77−76。報徳学園戦では第4クォーター終了間際まで3点を追っていたが、起死回生の3ポイントシュートを射抜いたのが土屋だった。

「やっぱり負けたくないという気持ちやメインコートに行きたい気持ちが強くて、(報徳学園戦の)最後のシュートも『自分が決めなきゃ負ける』『1試合でも多くこのメンバーでやりたい』という気持ちでプレーしました」

 今年の桜丘には土屋に次ぐもう1人の得点源がいる。土屋と同じくポイントガードを主戦場とする舘山洸騎(2年)だ。今回の3試合では舘山が合計49得点、土屋は72得点を奪ってチームをけん引した。土屋は、自分がウインターカップで活躍できたのは「舘山が助けてくれたから」だと感謝を述べる。

「1回戦は自分が得点をたくさん取れて(27得点)、2回戦の4クォーターの最後は舘山が自分に任せてくれて、ブザービーターで延長戦まで持っていけました。延長の5分間も舘山が『全部お前がやれ』って任せてくれたおかげで、チームを勝たせることができました」

 来年、土屋は大学へ進学して新たなスタートを切る。桜丘の卒業生には2018年のウインターカップ得点王で、現在はNBA入りを目指す富永啓生(ネブラスカ大学)がいるため、時には比較されることもあるかもしれない。ただ、今年1年エースを務めた背番号91は、来年のエース・舘山へ向けこんなエールを送った。

「1年間、エースとしてチームを引っ張るのは大変でしたけど、やっぱり楽しいなって僕自身思いました。やっぱりこれからのエースにも楽しんでバスケをして、チームを勝たせるエースになってもらいたいと思います」

取材・文=小沼克年