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北ガスアリーナ札幌46では、開幕を告げる第1試合から激闘が繰り広げられた。
7月25日に行われた「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の北陸学院高校(石川)vs美濃加茂高校(岐阜)は、最終スコア81-79で決着。勝ったのは北陸学院。組み合わせが決まってから、この勝利だけを考え、徹底的に対策を練ってきた。
「今までの北陸学院は、1回戦だけじゃなくて2、3、4回戦を見据えたスカウティングまで徹底してやってきていましたけど、ここ数年は1、2回戦で足元をすくわれることがありました。今年の美濃加茂さんは東海ブロックの準優勝校ということで力があるので、今回はまず、徹底して1回戦の準備をしてきました」
オフェンスではキャプテンで司令塔の脊戸新太(3年)が万全ではなく、プレータイムが制限された。だが、浜屋史篤コーチはインターハイ前から「選手層は厚いと思っていて、誰が出てもいける」と話しており、この試合では大会直前のエントリー変更でメンバー入りした信本羽也斗(3年)と神保旺介(1年)も奮起。生命線でもある3ポイントシュートは、全体で43本中16本(37パーセント)の確率でリングをくぐった。
浜屋コーチは勝利の喜びを噛み締めた。そのなかでも、ほかのチームメートよりもほんの少しだけ明るく輝いていた選手がいた。1年生シューターの小野蓮太だ。
彼は春先からスタメンを担う存在であり、中学時代は名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15の一員として「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2023」で優勝を経験。自身はベスト5にも選ばれている。優しい顔立ちなのだが、コートでは常にギラギラしたオーラを放っており、「あいつのシュートはピカイチですし、肝も据わっています」と浜屋コーチは言う。
美濃加茂戦の小野は、この日最初の3ポイントでチームに初得点をもたらすと、第1クォーターだけで4本の3ポイントを沈めた。試合を通してマークした16点中、最初の10分間だけで14得点を記録。最終クォーターでは両足をつってしまい最終盤はベンチで見守ったが、間違いなくチームを勢いづけた立役者だ。
「コーチからも、3ポイントは積極的に狙えって普段からも言われているので、今日も思い切って打ちました。1本目が決まった時に『あ、今日は入るな』って感覚だったんです」
自身初のインターハイをそう振り返ったルーキーは、「チームの目標は日本一。僕個人としてもしっかりとチームに貢献できるように頑張りたい」と意欲を示した。
第一関門を突破した北陸学院は、明日もチーム一丸で勝利を目指す。小野蓮太が迷わず射抜く3ポイントにも、期待せずにはいられない。
文・写真=小沼克年