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創部約3カ月、総部員は1年生15名。日本航空高校北海道(北海道)が初出場の全国大会で記念すべき初勝利を挙げた。
7月25日に北海きたえーるで行われた県立足羽高校(福井)との「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」女子1回戦。試合終了間際に3ポイントシュートで2点差に詰め寄られたものの、フリースローを決めて75-72で逃げきった。
矢倉直親コーチは「(13点を)リードして後半を迎えられたのが良かったと思います。追い掛ける展開だとキツかったのかなと。ずっとリードしていたことが良かったですね」と試合を振り返った。「真面目」(矢倉コーチ)な選手たちは、大会に向けた練習で相手への対策や自分たちのプレーについて考えすぎていたという。指揮官は「もう好きにしろと。昨日までのことは忘れて、楽しんでプレーすればいいよ」との言葉で送り出した選手を「とても良かったと思います」と称えた。
“1年生軍団”で特に目を引いたのが庵原有紗だ。180センチのオールラウンダーはドイツ人の父親と日本人の母親を持ち、7歳の時に父親の仕事の関係でドイツに渡り、いくつかの選択肢から日本帰国、そして日本航空北海道入学を決めた。
「(高校は)どこかの国に留学したいと思っていたところ、知り合いを通じて矢倉先生から話をもらいました。日本語を勉強できるし、日本のバスケットボールを経験できると思い、留学を決めました」
「ドイツ(のチーム)は小さかったので、背が高い私は4番(パワーフォワード)や5番(センター)でプレーしていました」と明かす彼女は、U15ドイツ代表に選出され、大会でフランス、チェコと対戦経験もあるという。足羽との試合では第1クォーターから6本のフリースローを獲得するなど躍動し、21得点11リバウンドを記録。ファトゥマタ・カマラなどへのパスで4アシストもマークした。
「すごくうれしい。いい雰囲気でプレーできて楽しかったです」。喜びを口にした庵原だが、試合では肩で息をする姿が見られ、足を痛めて一時コートから退いた。指揮官は「よくやってくれたと思います」と称えつつ、課題や今後への期待を口にした。
「サイズはあるけど、走力やスタミナ、パワーがまだ全然なんですよね。それであそこまでやれたのは一つ良かったのかなと。彼女がフィジカルを強くしたら、おもしろい選手になると感じています」
北海きたえーるのサブアリーナを埋め尽くしたファンだけではなく、夏休みを利用して現地観戦に訪れた母親、兄、妹にも全国1勝という晴れ姿を見せた。指揮官が目指す桜花学園高校(愛知県)との対戦に向けて、まずは山形中央高校(山形県)との2回戦に臨む。