2023.07.26

野津洸創は中学3年間で30センチ以上も成長…藤枝明誠で先発のルーキー「泥臭いプレーを」

主力の上級生とともに、先発としてコートに立つ藤枝明誠の野津洸創 [写真]=伊藤大允
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 7月26日、「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」男子の優勝候補に挙げられるシード校の藤枝明誠高校(静岡県)が登場。北海きたえーるで県立美来工科高校(沖縄県)との大会初戦に臨んだ。

 ボヌ ロードプリンス チノンソのインサイドを中心に第1クォーターだけで32-10とリードすると、その後も相手を寄せつけず97-59と圧倒。最終スコアだけ見れば上々の結果だと言えるが、指揮を執る金本鷹ヘッドコーチは試合後、選手たちのプレーに対して不満げな様子だった。

「情けないゲームでした。自分たちがやらなければいけないことを徹底できていないゲームだったと思います。内容的には満足できない試合でした。(やらなければいけないのは)リバウンドやルーズボールなど泥臭いところ。球際への意識の低さを露呈していました」

 指揮官は24点リードで迎えた第4クォーターも主力を起用。試合状況や今後の日程などを考えれば、「主力よりも良かった」(金本HC)ベンチメンバーをコートに送り出す選択肢もあったはずだ。金本HCは「無言のコメントじゃないですけど」と切り出し、選手たちへ自主性を求めた。

「自分たちで本来やるべきことに気づいてほしかった。その話を札幌に来てからもしていたので。自分たちが本来やらなければいけないことは何なのか。そこは自分たちのものになっていないという課題がハッキリとしました。そこに自分たちから気づいて、自分たちで修正をかけて、もう一度リズムを作り直して控えメンバーを出したかったですけど、ズルズルといってしまった。(今日は選手たちを)突き放すことを決めました。自分たちで気づいてほしいですね」

 より高いレベルが求められるチームには、北は北海道、南は福岡県や大分県など九州まで、全国各地から精鋭たちが集結。インターハイのエントリーメンバー12人に選出されるのは狭き門だが、12人中3人が4月に入学したばかりの1年生だった。その1人、野津洸創はスターティングファイブに名を連ね、13分42秒と限られた出場時間で2得点4リバウンド4アシスト2スティール1ブロックと万能なプレーを披露した。

リングに嫌われたものの、3ポイントシュートも試投 [写真]=伊藤大允

「緊張していましたけど、先輩たちがサポートしてくれました。自分的にはまずまずのプレーだったと思います」と高校での全国デビュー戦を振り返った野津は、中学3年次にゴッドドアの一員として「Jr.ウインターカップ2022-23」に出場。敗退した3回戦で宇都宮ブレックスU15を相手に21得点9リバウンド7アシストの活躍を見せ、兵庫県の甲南中学校卒業後に強豪校の門をたたいた。

 入学と同時に主力として起用されるようになったが、「最初はついていくのが精一杯だった」。指揮官が明かす。

「(彼は)高校でのバスケットにギャップを感じていて、顔も自信なさげにプレーしていました。まずはメンタリティの部分で、自分自身と向き合いなさいと。自分と戦って、やれることに集中する。失敗してどうしようではなく、自分にはこういうプレーができるということにフォーカスしなさいと」

 指揮官のアドバイスをもとに練習や試合を重ね、「春に比べたらボールに絡めるようになって、やるべき仕事が増えています」と自身の現状を口にした。

 そんな野津は、2019年度の兵庫県選抜チームに選出された際の身長が155センチ。インターハイのプログラムに記載されているのが190センチと、中学校3年間で30センチ以上も身長が伸びたという。

「単純に成長期がきて、中1から中2にかけて20センチぐらい伸びて、中2から中3にかけて15センチぐらい伸びました。父親も身長が高く、188センチあります。その影響と、やっぱり寝ることって大事なんだなと(笑)」

 赤間賢人やボヌ ロードプリンス チノンソなど実力者がそろうチームで「泥臭いプレーを頑張っていこうと思っています」と、黒子役に徹する意識を持つパワーフォワードへ、指揮官は「経験を積んで、来年、再来年に活かしてほしいです」と期待を込め、「(自分が)彼のポテンシャルを引き出してあげて、その先につながるような指導をしていきたい」との思いで注目の1年生を育てていく。

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