2023.12.12

「全国を震撼させた最恐留学生」オルワペルミ ジェラマイア(日本航空)/ウインターカップ2023注目選手

インターハイでは初優勝の原動力となった日本航空・ジェラマイア[写真]=伊藤大允
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 今夏のインターハイで山梨県勢初の優勝を成し遂げ、日本航空高校の“ジェリー”ことオルワペルミ ジェラマイア(2年)は日本一の留学生となった。

 ジェラマイアは身長2メートルの高さと、それに似つかわしくない軽やかな動きで勝利へ導く“最恐”センターだ。インターハイでは初戦から37得点29リバウンド8ブロックを叩きだして波に乗ると、その後の4試合でも20得点20リバウンド以上を記録する活躍でコートを支配した。

 開志国際高校(新潟県)との準決勝では相手の裏を突くように12アシストをマークしたかと思えば、東山高校(京都府)との頂上決戦は3本の3ポイントシュートを沈めて翻弄。改めてインターハイでのスタッツを見返すと、計5試合で平均27.6得点27.4リバウンドの数字を残し、さらには同5.0ブロック3.8アシスト2.8スティールという暴れっぷりだった。

 ジェラマイアは抜群の身体能力から繰りだす豪快ダンクに柔らかなアウトサイドシュート、ドライブから的確なアシストもさばき、ディフェンスでは守護神としてゴール下に君臨。山梨県に日本一をもたらした立役者として大ブレイクを果たした。

夏冬連覇を目指す日本航空。大黒柱のジェラマイアも優勝への思いを口にしている。[写真]=伊藤大允


 昨年のウインターカップにも出場しており、前回大会でも1年生ながら44得点23リバウンドという驚異の数字を残している。しかし、日本航空はオーバータイムまでもつれた接戦をものにできず1回戦で姿を消した。

「去年のウインターカップは覚えてる。負けて悔しかった」。そう話すチームの大黒柱は「インサイド、アウトサイドのシュートパーセンテージ」というキーワードを口にし、夏以降はさらにシュート力に磨くため努力を重ねてきた。

 今大会は対戦チームも“ジェリー対策”を練ってくるはずだ。様々なプレーができるがゆえに、「余計なことを考えて欲が出てしまう」(山本裕コーチ)という課題を克服し、迷いなくプレーできるかどうかも重要になる。

 夏と同様、いや、それ以上の衝撃をウインターカップでも与えられるか。夏冬2冠達成のキーマンに目標を問うと、「もちろんチャンピオンになる」と自信のぞかせた。

文=小沼克年

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