2023.12.28

ウインターカップ2023女子決勝見どころ「京都精華学園2年連続夏冬連覇へ…岐阜女子は“3度目の正直”なるか」

女子決勝は12月28日12時ティップオフ [写真]=伊藤大允
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 12月27日、「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子準決勝が行われ、決勝戦の対戦カードが決定。第1シードの京都精華学園高校(京都府)が3年連続、1回戦から勝ちあがった岐阜女子高校(岐阜県)が2019年以来となる最終決戦の舞台に駒を進めた。

プレッシャーを跳ねのけ「平常心」で快挙達成へ

 東海大学付属福岡高校(福岡県)との準決勝、京都精華学園は先手を取られ開始約4分で0−6とされた。しかし、八木悠香がチーム初得点を挙げて以降は堀内桜花を起点にリズムを取り戻すと、第2クォーター終盤には相手センターのチャウラ アミを4ファウルへ追い込んだ。後半は八木、橋本芽依が得点を伸ばして引き離し、最終スコア85−62で勝利した。

 試合開始から硬さが見られた選手たちに対し、山本綱義アシスタントコーチは「プレッシャーですね。相手に対するプレッシャー、今日の試合へのプレッシャーというよりも、やっぱり連覇を選手たちがどこかで意識してしまっています。『先輩たちに続いて今年も』という気持ちが強いので、それががんじがらめになり、自分たちのプレーができてなかったと思っています」と語る。

京都精華の堀内桜花(右)、八木悠香にとって高校ラストゲーム [写真]=伊藤大允


 昨年はインターハイとウインターカップで初優勝。今年のインターハイでも優勝を成し遂げ、京都精華学園は2年連続となる“夏冬連覇”へ王手をかけた。

 チーム初の快挙達成へ、周囲からも大きな期待を背負う。しかし、高校最後の一戦に挑む堀内、八木、ディマロ ジェシカの3年生を筆頭に、京都精華学園には昨年のトーナメントを制した“経験”がある。指揮官は「平常心。技術や体力よりも、心のあり方が大事です。いかにリラックスして戦えるかどうかだと思います」と優勝へのポイント挙げた。

エース絈野の得点力と堅守で女王に挑む

 準々決勝で桜花学園高校(愛知県)から大逆転勝利を収めた岐阜女子は、4年ぶりの決勝進出をかけ札幌山の手高校(北海道)と対戦。昨年は準決勝で同じ相手に敗れたが、今回は序盤から主導権を握り、30点差の快勝を収めた。

「昨日のようなゲームをすると、ちょっと気持ちが抜けてしまうことがあります。けど、昨年はここで完敗していますし、選手たちがディフェンスをしっかりやってくれました」

 安江満夫コーチの言葉通り、チームは高い攻撃力を持つ札幌山の手にも持ち前の堅守を発揮。失点を46点に抑え込み、攻めては22得点をマークした絈野夏海を筆頭に、計4選手が2ケタ得点を挙げて76点を積みあげた。

 岐阜女子が優勝すれば、5年ぶり3度目となるウインターカップ制覇。京都精華学園には今年のインターハイ2回戦に加え、「U18日清食品トップリーグ2023」でもオーバータイムの末に敗れている。

 3度目の正直での女王撃破へ向け、安江コーチは「必死に食らいついて、やっとあそこまでの戦いができました」と過去2度の対戦を振り返り、「シュート力もありますしインサイドも強い。全部止めらければいけないです」と京都精華学園についてコメント。「あとは自分たちがやれることをやるだけです」と、エース兼キャプテンの絈野を中心としたオフェンスと、伝統のディフェンスで栄冠を掴みにいく。

岐阜女子の安江コーチいわく「努力でここまで成長した」という絈野夏海 [写真]=伊藤大允


 運命の一戦は、12月28日12時ティップオフだ。

文=小沼克年

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