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2戦連続で3P不発も…存在感を放つ北陸の和田拓磨「チームが勝つことが一番」

北陸のキャプテンを務める和田拓磨[写真]=小沼克年
フリーライター

 8月5日、福岡市民体育館で「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の男子2回戦が開催。第1試合に組まれた中部大学第一高校(愛知県)vs北陸高校(福井県)の顔合わせは、最終スコア64-52で北陸に軍配が上がった。

 最終的には2ケタ点差が付いたものの、どちらに転んでもおかしくない好ゲームが繰り広げられた。「途中流れが悪くなったこともあったんですけど、コーチ、選手含めて全員が自分たちの力を信じることができたのが勝ちにつながったと思います」。試合後、勝因を口にしたのは和田拓磨(3年)だ。

 この試合で北陸が犯したターンオーバーは17個。精度の高い攻撃を披露できたわけではないが、ディフェンスでは第3クォーターの失点を9点に抑えた。「相手は高さがあるので明日はディフェンスからどんどん走りたい」(和田)。1回戦の県立川内高校(鹿児島戦)との試合後に語っていたように、190センチオーバーの日本人選手が並ぶ中部大第一に対し、北陸は最後までコートを駆け回った。

2回戦も果敢に3ポイントシュートを放った北陸の和田拓磨[写真]=小沼克年


 今年からエース兼キャプテンを担う和田は、確率良く3ポイントシュートを射抜くことができるスモールフォワード。初戦は7本、中部大第一戦でも立ち上がりから打つべき場面で長距離砲を選択し、10本の3ポイントを放った。だが、2試合を終えた時点で未だ3ポイントからの得点は「0」。中部大第一戦が終わった直後には、「今日も全然スリーが入らなかったです…」と笑みを浮かべながら声をかけてきた。

 外角のシュートが本調子でなくても、和田は2回戦で17得点を挙げた。この日はオフェンスリバウンドも4本記録。ゴール下の競り合いからバスケットカウントを奪う場面もあり、体を張って勝利を手繰り寄せた。

「昨日、今日と3ポイントが入っていないですけど、そこはすぐ切り替えてというか。3ポイントが入らなくても自分にはドライブがありますし、今日はドライブから点を決められたのでよかったと思います」

 そう振り返った北陸のエースは、状況に応じたプレーができる選手でもある。ドライブからの仕掛け、周りへアシストをさばくこともでき、「今のチームは点が取れる選手が多いので、自分がガツガツいかなくてもシュートが当たってる選手にパス出すなど、全員で得点することを意識してプレーしています」と和田は言う。2回戦でも、両チーム最多となる21得点の活躍を見せたのはチームメイトの峯田倖成(3年)だった。

21得点の峯田倖成に次ぐ17得点をマークした和田拓磨[写真]=小沼克年


 1年生の頃から先発を担い、着実に経験を積んできた。今年の和田には背番号4を背負う自覚と責任もある。

「今、北陸の4番としてキャプテンをやらせてもらっている中で、自分の調子の良し悪しよりも、 とにかくチームが勝つ、その1点に集中しています。声出しでもチームを盛り上げることを意識しているので、そこは下級生の頃に比べて成長できています」

「エースとしてもキャプテンとしても、やっぱりチームが勝つことが一番」と勝利を最優先する和田。明日の勝利には自身の3ポイントシュートも必要不可欠になる。3回戦の相手は優勝候補の一角、東山高校(京都府)だ。

取材・文=小沼克年

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