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8月4日、「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」が開幕し、福岡市民体育館での第2試合には前回王者・日本航空高校(山梨県)が登場。最終スコア78-69で2回戦進出を決めた。
大いに苦しんだ初陣だった。相手は前回大会の初戦でも顔を合わせた東海大学付属諏訪高校(長野県)。昨夏も6点差で接戦を繰り広げただけに、「予想どおりと言えば予想どおりです。相手は全員がしっかりフィジカルを使ってディフェンスしてくることはわかっていました」と山本裕コーチは言う。
エースのファウルドラブルも重なり、第2クォーターで一時10点ビハインドを背負ったが、タイムアウトを挟むと徐々に追い上げを図る。ジェラマイアに代わってコートインした1年生のジャキテ ザカリア モリバがゴール下で奮闘。オフェンスでは大道一歩(3年)の3ポイントシュートも決まり、前半終了時点で42-37と逆転に成功した。
「会場も盛り上がっていたのでジェリーは張り切っていましたし、序盤はジェリーを含め全員が1人で解決しようとしていました。チームとして機能していませんでしたが、モリバがゴール下でリバウンドを取ってくれたこともあり第2クォーターはうまくいきました」(山本コーチ)
4ファウルとなったジェラマイアは、それ以降コートに立つことはなかった。「相手からするとジェリーの方が守りやすいのかなと感じました。モリバの方が余計なことをせずリバウンドに絡んでくれますので、このままいけるところまでいこうという考えで最後まで引っ張りました」と山本コーチ。フル出場の三村デールアンソニーとともにインサイドで支えたモリバは、約18分のプレータイムで12得点9リバウンドを挙げて役目を果たした。
両チームトップの27得点で勝利へ導いたのは、司令塔の大道だ。指揮官も「休ませたかったですけど、今日の流れですと代えるのが怖かったです。うまく繋いでくれました」と評価した攻撃型ガードは、ジェラマイアのファウルトラブル、シューターの中西哲太(3年)にもなかなか当たりが来なかったチームの危機を何度も救ってみせた。
そう安堵した大道は、「ディフェンスからブレイクという、自分たちらしいバスケでどんどん点数を取っていきたい」と2回戦を見据えた。
苦しんだ末の勝利。けれどその分、チームとしてまた1つ成長できた。ディフェンディングチャンピオンは明日も目の前の試合に全てをかける。
取材・文=小沼克年