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土浦日本大学高校(茨城県)にとって、「令和6年度 第35回関東高等学校バスケットボール新人大会」の準決勝は“リベンジマッチ”でもあった。
相手は山梨県代表の日本航空高校。両校は昨年末に行われたウインンターカップ2回戦でも激突。その試合では最後までもつれる熱戦となり、試合終了残り2秒に逆転シュートを決めた日本航空が1点差で勝利を収めた。
そこから約1カ月弱の期間を経て再戦のチャンスが訪れた。チームは3年生が引退したものの、土浦日本大は昨年から現在の2年生が主体。川満有紀コーチと選手たちはリベンジを誓って試合に臨んだ。しかし、決勝進出をかけて戦った一戦は最終スコア62−82で完敗を喫した。
川満コーチは「試合の入りから硬さというか、 集中力が散漫しているような状態でした。勝てるチャンスはあったと思いますけど、出だしでつまずいてしまってそこから修正できないまま試合が終わってしまった印象です」と消化不良の40分を悔やみ、1人の選手の名を挙げた。
「やっぱり要となる岩坂の体を張った泥臭いプレーが全くなかったので、そういった点が悔やまれますね」
岩坂真紘(2年) は177センチのパワーフォワード。指揮官の言葉どおりチームの中心を担い、「あの子がチームの要であることは3年生たちも認めていました」(川満コーチ)と、昨年も背番号4を背負ってプレーしていた。新チームのキャプテンには就任しなかったが、岩坂が引き続き大黒柱であることに変わりはない。
「自分の試合の入り方が悪かったです。去年のウインターカップで対戦した時にファウルアウトしてしまったこともあって、今日の試合では相手の留学生に対してディフェンスのハードさが弱くなってしまいました」
自身のプレーを振り返った岩坂は決して派手なタイプではない。得点源の1人ではあるものの、インサイドでは体を張ってリバウンドに飛び込み、味方へのスクリーンやルーズボールなどでもチームを支え、鼓舞する存在だ。
高校1年次にはU16日本代表に選出され、昨年はU17日本代表の一員として「FIBA U17女子ワールドカップ2024」にも出場した。代表活動で得た学びについて、岩坂は次のように話す。
「自分と同じくらいの身長だけではなく、自分よりも身長が高い選手でも外からのプレーができてすごいなと感じました。3ポイントもしっかり決められないとダメだなと思いましたし、技術も強さも全部がまだまだ足りなかったので、これからもっと練習しなければいけないと思いました」
将来的にはアウトサイドでのプレーを視野に入れる岩坂だが、まずは土浦日本大で自らの役目を全うすることが最優先。「日本航空戦では自分のプレーが上手くできなかったですけど、もっと周りを鼓舞する声掛けやチームのために体を張ることを頑張りたいです」と岩坂は今後を見据えた。
「今日の試合では自分にベクトルが向いてしまいましたけど、彼女が声を出して引っ張っている時はチームの流れもいいですし、彼女自身のプレーもしっかりとできている状態です。彼女はU16、U17と2年連続で選んでいただいています。本人も自覚していると思いますが、これからしっかりと自分と向き合わせて、足りない技術や考え方の部分などを見直してもらいたいなと思っています」
アンダーの代表を務めた岩坂がチームをリードする [写真]=小沼克年
文・写真=小沼克年