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2月15、16日に「第35回近畿高等学校バスケットボール新人大会」が和歌山県にて行われ、女子は京都精華学園高校(京都府)が3大会連続の優勝を決めた。
1回戦を112得点、2回戦でも113点を奪うなど危なげなく勝ち上がった京都精華学園は、準決勝で大阪桐蔭高校(大阪府)と対戦。
試合は、機動力とハードなディフェンスを武器とする相手に対してンガルラ ムクナ リヤ(1年)の高さを生かし、序盤からインサイドにボールを集めて得点を挙げていく。また、アウトサイド陣もシュートチャンスを確実に得点へとつなげてバランスよく加点。最後まで攻撃の手を緩めることなく98-67で勝利した。
続く決勝は京都両洋高校(京都府)との延長戦を制して勝ち上がってきた大阪薫英女学院高校(大阪府)と。京都精華学園は幸先良いスタートで第1クォーターを5点リードしたが、第2クォーター中盤には外角シュートが適時に決まった大阪薫英女学院に追いつかれてしまう。
それでも、4点リードで迎えた第3クォーターでは決め手を欠く大阪薫英女学院を尻目にインサイドを中心に得点ペースを上げ、62-44と一気に点差を広げた。
第4クォーターこそ追い上げられるシーンはあったものの、リアの44得点の活躍もあった京都精華学園が82-68で勝利を飾った。

決勝では44得点をマークした京都精華のンガルラ ムクナ リヤ [写真]=田島早苗
決勝では10名の選手がコートに立った京都精華学園。指揮を執る山本綱義コーチは、「力のあるメンバーがそろっているので、みんなの力を伸ばしたいと思っています」と、言う。加えて、4月以降に附属の京都精華学園中学校から高校へと進学する選手も含めて「少なくとも10人はいつスタートになってもおかしくないというチーム作りをしている最中です」とも語った。
その実力差が均衡しているというチームにおいて、今大会ではプレータイムも長く、大事な局面での出番が多かったのが1年生ガードの吉田ひかりだ。
「京都精華学園中学校時代に全中(全国中学校大会)とジュニアウインターカップとで優勝したときのキャプテン。一番冷静に物事が見ることができ、考えられる選手なので、まずは彼女を柱にしてと考えています」と、山本コーチが言うように、新チームではカギを握る選手といえるだろう。
当の吉田は近畿新人大会を「指示をなかなか徹底をできなかったのですが、決勝の最後の方で少しずつ指示を徹底できるようになったことはよかったなと思います」と、振り返る。それと同時に「ゲームを作るという仕事をやらせてもらっていますが、(相手ディフェンスに)プレスで来られたときにミスをしてしまったので、まだまだ課題が残ります」と、自身の出来については反省点を挙げていた。
試合ではスピードに乗ったドライブなどを披露していた吉田だが、得意なプレーはファストプレイクやスクリーンを使った攻めだという。
京都精華学園の司令塔といえば、これまでは堀内桜花(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)や林咲良(3年)といった選手たちが担ってきたポジションだ。そのプレッシャーと問うと、「全然ありません。2人は上の存在過ぎてそこまで考えられません」と、キッパリ。
また、「林さんみたいに落ち着きのあるプレーや、堀内さんみたいなトリッキーなパスができなかったとしても、(京都精華学園の強みである)センターにいいパスができるようにしたいと思っています」と、今後に向けてを抱負を語った。
出身地の和歌山県で近畿新人大会優勝に貢献した吉田。「プレス(ディフェンス)が来たときにすぐに対応できるように。まだまだ声が出ていないときがあるし、目標であるディフェンス、ルーズ、リバウンドをもっと徹底できるチームになりたいです」と、新たな戦いに目を輝かせていた。
文・写真=田島早苗