2023.01.06

偉大な先輩・川島悠翔の“0番”を背負った森田悠月(NLG INFINITY)「自分が超えるという意識で…」

エースナンバーの「0番」を背負った森田悠月[写真]=バスケットボールキング
フリーライター

 群馬県代表のNLG INFINITYは、3年連続となるJr.ウインターカップ出場を果たした。しかし、2023年の「Jr.ウインターカップ2022-23 2022年度 第3回全国U15バスケットボール選手権大会」は、1月4日の1回戦でJamaney Youth(石川県)に敗れて初戦敗退。第1クォーターで4-18と出遅れると、最後までこのビハインドを覆せずに最終スコア52-72で敗れた。

 試合終了のブザーが鳴り、選手たちは涙でコートを去った。チームは試合後に集合写真の撮影を控えていたが、そこでも涙が止まらない。けれど、堀田享ヘッドコーチが「せっかくだから笑って撮ろう。堂々としろ」と大きな声をかけると、選手たちの表情は次第に柔らかくなっていった。

「このチームでできる最後の公式戦だったので、やっぱりもうちょっと試合がしたかったという思いが強いです」。試合直後に涙を流した森田悠月(3年)も、「負けたことは率直に悔しいですけど、最後までみんなが諦めずにプレーできて、自分としても全力でプレーできたので良かったと思います」と最後は笑顔を見せた。

ベンチも含め一丸となって最後まで戦い抜いたNLG INFINITY[写真]=バスケットボールキング

 1年生の頃からJr.ウインターカップのコートに立ってきた森田は、今年はキャプテンかつエースとしてNLG INFINITYをけん引。コート上では187センチの身長と103キロを誇るフィジカルを武器に体を張り続け、中学生活最後の公式戦では10得点12リバウンドのダブルダブルをマークした。

 最上級生となって身につけた背番号は「0」。森田によれば、この番号は現在のNLG INFINITYではエースナンバーを意味するという。その理由には、森田が1年生だったときにチームを同大会の準優勝に導いた当時の絶対的エースが大きく関係している。

「川島くんの代から0番がエースナンバーという空気になって、去年のキャプテンの見竹くんも0番でした。僕としては1年のころから仲良くさせてもらってましたし、憧れてもいたので今年は自分が0番を背負ってチームを引っ張ろうと頑張ってきました」

 森田の言う先輩2人は、現在はともに福岡大学附属大濠高校(福岡県)でプレーする川島悠翔(2年)と見竹怜(1年)だ。この1年、自ら重要な番号を背負った森田は「周りからの期待やプレッシャーもあったんですけど、『自分が先輩たちを超える』という意識でやってきました」と明かす。

 進学先は川島、見竹と異なる場所へ進む森田だが、「落ち込み過ぎるのはよくないので、気持ちを切り替えてこの悔しい思いを高校に繋げたいです。次のステージでもこういう大舞台に出たいと思います」と前を向き、3年間お世話になったJr.ウインターカップに別れを告げた。

文=小沼克年