2023.05.30
宇都宮ブレックスの田中大貴――。そう聞いただけで主に関東地区のBリーグファンから関心を持たれそうだが、宇都宮のU15に所属する田中大貴(3年)は、近い将来に日本代表として活躍する可能性が大いにあるプレーヤーだ。
中学3年で190センチの高さがあり、「まだ身長は伸びてます」と本人は言う。チームで最も高い選手としてインサイドで身体を張る場面もあれば、アウトサイドからリングにもアタックする背番号3は「役割はそこまで決まってないんです」と淡々と口にするように、試合では状況に応じてプレーを使い分けているという。
「全部のポジションでプレーできるように日々練習してます。相手が自分より小さい時はインサイドで戦ったり、同じ身長くらいだったらドライブとか味方へアシストしたりすることが多いです」と田中が言えば、本谷篤司ヘッドコーチも、「私自身が具体的に指示しているのではなく、田中自身がその相手に見合ったプレーを選択していることが多いです。本当に素直な子で、こっちが言ったことも忠実に表現してくれますし、プラスアルファで自分のアイデアを入れてプレーすることもできます」と語る。
1月4日に行われた「Jr.ウインターカップ2022−23 2022年度 第3回全国U15バスケットボール選手権大会」(以下、Jr.ウインターカップ)のレバンガ北海道U15との一戦、チームは56−48で接戦を制した。田中はスタッツこそ2得点4リバウンドと振るわなかったものの、自身の言葉どおりコートに立てば高さと豊富な運動量で攻守を支え、ベンチでもチームメートを鼓舞。次戦へは「まずはチームにとってプラスになるリバウンドで貢献して、しっかりと得点も決めてダブルダブルを狙っていきたいです」と意気込んだ。
昨年12月には、JBA主催の世界に通用する選手育成を目的とした「2022年度 ジュニアユースアカデミーキャンプ」のメンバーにも選出された。田中は同キャンプを経て今回のJr.ウインターカップに臨んでおり、来年度には宇都宮U18への昇格が決まっている。
将来については「渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)みたいに、どのポジションでもプレーできて3ポイントが入る選手になりたい」と目指す選手像について答えたが、国内でプレーする193センチのオールランダーにも追いつけるよう、これからも努力を重ねていく。「田中大貴選手(アルバルク東京)もあの身長でいろんなポジションができるので、自分も将来はああいうプレーヤーになりたいです」。
一歩、また一歩と日本代表への階段をのぼる“もう1人の田中大貴”を、今のうちに覚えておいた方が良さそうだ。
文=小沼克年
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