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1月4日、武蔵野の森総合スポーツプラザで「京王 Jr.ウインターカップ2023-24 2023年度 第4回全国U15バスケットボール選手権大会」が開幕した。初日は男女1回戦が行われたが、女子の第1試合、沼津市立沼津高等学校中等部(静岡県)対サザンギャルズ1031(栃木県)は、いきなりクロスゲームとなった。
第1クォーターから僅差の争いとなった試合は、市立沼津が27-26で迎えた第3クォーターにリードを4点に拡大した。しかし、第4クォーターでサザンギャルズに追いつかれると、そこからは幾度となくビハインドを負う展開に。それでも、岩田真奈(3年)の連続シュートや杉山もも(3年)の3ポイントシュートなどで苦しい場面を乗り越えた。だが、残り9秒には相手にフリースローから1点を奪われて再びピンチを迎えた。
最後の攻撃に懸けた市立沼津は、杉山の3ポイントシュートが外れたものの、そのこぼれ球を拾った岩田がリバウンドシュート。残り1秒のシュートが決勝点となり、市立沼津が55-54で劇的勝利を収めた。
両チーム最多となる22得点を奪ったのが市立沼津のポイントガードである杉山だ。大会に向けた公式のチームアンケートには『多彩な攻撃と積極的な守備で会場を沸かせるファンタジスタ』と紹介されていたが、その言葉どおり、巧みな1対1からのシュートや一瞬の隙をついたパスなど、攻撃の中心となり、チームを引っ張った。
「今日は入ったほうです」と杉山本人が語るように、3ポイントシュートに関しては6本を沈めたが、指揮を執る工藤寿也ヘッドコーチは、「以前は外のシュートの確率がそこまで良くなかったので、離して守られることもありました」と、言う。そこからシュート練習を重ね、アウトサイドのシュート力向上に取り組んできた。司令塔としても「状況判断。点差や時間帯など、何が一番効くのか、今乗っている選手が誰なのかを考えながらプレーしています」と、指揮官は太鼓判を押す。
実際、試合では落ち着いたプレーと冷静なゲームメークが光ったが、杉山自身も「ガードなので周りを見なくてはいけないし、視野の広さも持っていないといけないと思っています」と、力強く語る。
日頃からNBAをよく見ているとのことで、参考にしているのはガードのトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)。「得点力もあって、パスもさばけるし、視野も広いので憧れています」と、声を弾ませた。
巧みなドリブルワークなど、魅せるプレーでもチームを盛り立てる市立沼津の司令塔。激戦を制したあとも、翌日のGOLDEN PHOENIX(長野県)戦に向け、意気込みを語ってくれた。
「明日(の2回戦)も強い相手だと思うので、今まで自分たちがやってきたことを出せるように、みんなで声を掛け合って頑張りたいです」
文=田島早苗