2022.07.17
7月17日、グループCの1位をかけて対決するのがイランだ。アジア屈指の高さとフィジカルの強さを生かし、2007年の初優勝を皮切りに、2009、2013年にアジアを制覇。それ以降も常にアジア上位に君臨する強豪である。その歴史の中心には、今回もロスターに名を連ねている218センチのセンター#15ハメド・ハダディ(37歳)と、今回は選外のサマッド・ニックハ・バハラミ(198センチ、39歳)という2人の大黒柱がいた。
2019年に中国で開催されたワールドカップの予選において、日本はイランに2勝(70-56/97-89)をあげている。しかし、その2試合にはハダディとバハラミは不在だった。イランは2019年のワールドカップに2人の大黒柱を代表に戻すと、プエルトリコに81-83と金星寸前のゲームを展開し、アンゴラとフィリピンに勝利をあげ、ワールドカップでアジア最上位となって東京五輪の切符をつかんでいる(中国も2勝をあげたが、得失点差でイランが上回った)。
いってみれば停滞期。そのため、東京五輪では機動力のなさを露呈して3戦全敗。決勝に進んだアメリカとフランスが同組だったこともあるが、平均得点では68.7点で最下位(日本は78.3点)。出場チームの中で70点に達しなかったのはイランだけという惨敗だった。今年に入ってからはワールドカップ予選でカザフスタンによもやの連敗を喫し、このアジアカップはチームの再建をかける大会として臨んでいる。
また、常連組のなかでもっとも警戒したいのは、司令塔と得点源を兼ねる#8ベフナム・ヤクチャリ(190センチ/27歳)。バハラミの後を継ぐ新リーダーとして自覚が増している選手だ。さらにはリバウンドに強い#14アーセラン・カゼミ(202センチ/32歳)と#7モハメド・ハッサン(203センチ/31歳)、好不調の波はあるが爆発力のある#13モハメド・ジャムシディ(195センチ/30歳)、ポイントガードの#5サジェド・マシャエキ(180センチ/28歳)らは、ここ数年のイランを支えてきたメンバー。マシャエキを除くこれら5選手は東京五輪を経験している戦力だ。
ハダディは日本戦を前に「日本はスピードがあるチーム。私たちはその速さに適応しなければならない。しかし、私たちも私たちのやり方でゲームを進めていくことを示したい」と語っている。ハダディが言う「私たちのやり方」とはリバウンドの支配力である。日本が走るためには、イランからリバウンドをもぎ取ることが最重要課題となる。
文=小永吉陽子
2022.07.17
2022.07.17
2022.07.17
2022.07.16
2022.07.16
2022.07.15