2022.02.04
河村勇輝vs小川麻斗--。高校時代、福岡第一をインターハイ優勝とウインターカップ2冠へ導いたツーガードは、高校生離れした速さと美しいプレーで見るものを魅了し『最強コンビ』と評された。11月6日、その2人が大学進学後初めて顔を合わせた。
「実際マッチアップするかはまだ分からないですけど、機会があればお互い成長した姿を見せたいです。自分も大学で成長したと思いますし、彼もすごく成長してると思うので、よりレベルアップした戦いを皆さんにお見せできたらいいなと思います」
小川との対戦について問うと、やや控えめに切り出してから意欲を示した東海大学の河村。一方、日本体育大学の小川は、以前からこの対決を待ちわびていた。
大学入学後、初の公式戦が行われた時期から「大学で河村を倒したい」と口にし、2年生となり、あと1つトーナメントを勝ち上がれば東海大と戦えた時にも小川は悔しそうだった。
「今日もしっかり勝って、明日は東海大学さん、河村とマッチアップしたいという思いが強かったので勝ちたかったです……」
2人の大学初対決が実現したのは「第97回関東大学バスケットボールリーグ戦」。各チーム残り2試合という状況での対戦だった。この時点で日体大はリーグ優勝の可能性が消滅していたが、東海大は日本大学との優勝争い真っ只中。最初から肩の力を抜いて楽しんでプレーできたのは小川のほうかもしれない。
両選手ともに昨年から先発ガードを任されており、この日も変わらず試合開始からコートに立った。常にマッチアップしたわけではなかったが、試合の場面場面で対峙した河村と小川。真剣勝負の中、時折2人笑顔で言葉をかわすこともあった。
試合は77-56で東海大が勝利。大学2年目でようやく一緒に試合ができた小川は、敗れはしたものの「楽しかったです」と素直な感想を述べた。
「高校でずっと一緒にやってきたぶん、マッチアップはあまりしてこなかったので、他のチームや選手とやる時よりも気持ちが上がったというか、『もっとやってやろう』という気持ちになりました。負けたくない気持ちはずっと持ちながらプレーしていました」
その強い気持ちが実を結び、小川はチームトップの16得点を挙げている。スピードに乗ったプレーで得点を稼ぐのが彼の持ち味ではあるが、大学ではポイントガードとして試合の組み立てもしなければならない。その点については、現状、河村の方が上手であり、小川も「見習わなければいけない」と口にする。
日体大はリーグ戦5位、東海大は3年ぶりの優勝を飾り、次はインカレに焦点を当てる。「もっともっとレベルアップしないといけない」(小川)、「この勢いでインカレも連覇できるように頑張りたい」(河村)。高校時代の盟友は、今は最大のライバルとして互いを高め合う存在だ。小川は河村を倒すために、河村は東海大を王者に君臨し続けるために、これからも2人の挑戦は続く。
写真・文=小沼克年
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