2017.11.13

100点ゲームで快勝も大神雄子キャプテンは反省しきり

100点ゲームで快勝も、大神雄子キャプテンは反省を口にした[写真]=山口剛生
バスケットボールキング編集部

 11月12日、Wリーグは6試合が行われ、大田区総合体育館で東京羽田ヴィッキーズトヨタ自動車アンテロープスが対戦した。

 試合前、2005年から3シーズン、羽田ヴィッキーズに在籍した堀江(現姓、迫原)早紀さんとお子さんのだいちゃんがコート上に招かれた。だいちゃんは1歳の時、心臓の病気を発症し、その治療にはアメリカに渡って心臓の移植手術を施さなければならないと診断された。それには高額な治療費が必要だったが、ヴィッキーズをはじめとするバスケ関係者の募金活動により資金を調達。渡米後行われた手術は無事成功し、その後も順調に回復して今年の1月に帰国。元気になったその姿を観戦に訪れたファンの前に披露してくれた。

試合前のセレモニーで元気な姿を見せてくれただいちゃん[写真]=山口剛生

 この試合、ティップオフ直後から積極的なプレーを見せたのがトヨタの長岡萌映子だ。長岡はこのクォーターだけで3ポイントシュート2本を含む10得点をあげ、チームにエンジンをかける。

 第2クォーターに入ると、東京羽田も反撃に出る。ガードの本橋菜子がドライブからトヨタのディフェンスを崩し、小山真実が3ポイントシュートを決めていく。また、チェンジングディフェンスでトヨタの得点のペースダウンを図った。第3クォーターに入り、東京羽田は上酔尾巳唯なども得点に絡みだし、一時は点差を一桁台まで詰め寄った。

 しかし、ここから地力を見せつけたのがトヨタだった。三好南穂がスチールから速攻を決めるなどして、ディフェンスからチームに勢いを吹き込む。さらに三好はオフェンスでも手を緩めず、終わってみれば両チーム最多の26得点をあげる活躍。結局、トヨタが103-65で粘る東京羽田を振り切った。

 スコア的には快勝に思える内容だが、試合後、トヨタの大神雄子キャプテンからは反省の弁が繰り返された。

「新たに加わった選手も多いので、まだチームとしての約束事が徹底していません。今日も第2、第3クォーターでそれが出てしまった。開幕前から覚悟はしていましたが、今シーズンはチーム作りをしながらの戦いとなります」

 この日の大神は無得点に終わったものの、19分の出場で8アシストをあげ、チームの勝利に貢献した。

「得点を取れる選手がそろっているので、自分が点を取りに行くよりも周りを生かすことを意識しています。こうすることでチームのケミストリーも構築できるし、チーム作りの一環だと思っています」

 Wリーグは全日本選手権3次ラウンドなどもあり12月2日までブレークに入る。大神は「全日本の本番の前に、まずは12月3日の三菱電機(コアラーズ)戦、そして10日のJX-ENEOS(サンフラワーズ)戦に向けてチームを仕上げていきます」と、表情を引き締めた。

文=入江美紀雄

アシストに徹してチーム作りを進める大神[写真]=山口剛生