2020.09.03

【Wリーグ開幕特集/注目選手】ENEOSサンフラワーズ・宮澤夕貴「感謝の気持ちを持ってコートに立ちたい」

膝のケガでオフシーズンはリハビリに専念していたENEOSの宮澤
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取材・文=田島早苗
写真=ENEOSサンフラワーズ、Wリーグ

 9月18日より開幕する第22回Wリーグ。先シーズンは新型コロナウイルス感染症の影響で中断となり、公式戦は今年2月23日以来となる。バスケットボールキングでは新たに始まるシーズンに向け、全12チームの注目選手にインタビューを行い、シーズンに向けての思いを聞いた。

 第1回は昨シーズンのレギュラーシーズン1位、今シーズンよりチーム名が変更となったENEOSサンフラワーズの宮澤夕貴。3ポイントシュートをはじめ、多彩な攻撃で得点を挙げるポイントゲッターで日本代表でも主力を担う彼女の今の思いとは。

――2月の「FIBA 東京2020オリンピック予選大会」(日本代表)を不参加。その後、Wリーグ(第21回)でも2月22、23日の試合に出場しませんでした。
宮澤 膝を痛めていました。痛めたのは1月27日。日本代表の合宿中で「なんか痛いな」と。一度練習を抜けて、その後にもう一度練習に入ってみたのですが、また痛みが出て…。そこで練習は止めました。翌日も状況は同じだったので病院に。膝の軟骨が損傷しているということでした。

――膝の故障が原因でOQTに参加しなかったのですね。
宮澤 痛みが出た直後は「無理すれば大丈夫かな」という感じだったのですが、しばらくしてから「あ、もうこれはバスケットできないな」ぐらいに痛くなって…。

――疲労の蓄積などもあったのでしょうか?
宮澤 はい。ただ、痛みが出たのが急だったので…。確かにその日はすごく疲れてはいたんです。でも、それまではずっと体も軽くて、最近調子いいなと思っている時だったので、状況が急変しました。

 それでも当時は、Wリーグには(2月22日の)三菱電機コアラーズ戦から試合に出ようと思っていたんです。でも、痛くてできないという状況が続いてしまい、(復帰予定も)どんどんズレていきました。

 最初、「2週間ぐらい休んだら戻れるのかな」と思っていたのが、結局4か月かかりましたから。「いつになったら治るの?」という感じでした。もしプレーオフが開催されていたとして、正直、(出場は)厳しいだろうなという状況で、調子が良くなった後にまた痛くなってという波がありました。

――では、自粛期間中はリハビリ、トレーニングなどを行っていたのですか?
宮澤 トレーニングルームでひたすら地味なトレーニングをしていました。シューティングも日によって膝の調子がいい時は打てるけれど、痛い時は本当に打てないといった感じだったので、調整しながらでした。

 なんか…、今回のことで「もう若くないんだな」ってすごく感じましたね。今までは少し疲れがあっても自主練習をしたのですが、それはちょっと違うんだなって。自分の疲れと相談しながらやっていかないといけないんだと感じました。

――何年も日本代表活動をしていますし、疲れの蓄積は大きいかもしれないですね。
宮澤 自分では思っていなかったけれど、意外と体は…。気持ちだけが前に前にいっていたのかなと。別にそれが悪いことをしていたとは思わないのですが、今後はもっと自分と向き合おうと思いました。

――バスケットに対する向き合い方も変わってきた?
宮澤 コロナウイルス感染症の関係でみんなも思ったかもしれないですが、普通に、当たり前にバスケットができる環境がすごくありがたいなと思いました。リハビリ中は、みんなが「疲れた~」とか「練習だ~」とかつぶやく一言に「いいなぁ」って思って見ていました。あの時のことを思い出すと泣きそうですけど。

――本当につらかったのですね。
宮澤 間に合わせるのに必死でしたね。オリンピックもそうだし、次のリーグにも間に合うかといったらそうではなかったので。みんなと同じようにバスケットができる状況まで早く戻さないと、という思いが強かったし、焦りはありました。

――のんびりしてられない状況だけれど膝は良くならない。精神的なつらさがあったのでは。
宮澤 日本代表でのパフォーマンスが上り調子で来ていたので、ここで落ちたら嫌だなという思いがありました。上に上がり続けていきたいと思っていてのケガ。毎日ストレスを感じていました。

――それを乗り越えられたのは?
宮澤 復帰する目標があったからです。いつ治るか分からないというケガではありましたが、「ここで気持ちを切らしたら終わりだ」と思ったし、今まで頑張ってきたのが水の泡になるのが嫌だったから、できることをやろうと思いました。

 自分の弱い部分。私は下半身が細いので、そこの強化はリハビリの期間で行いました。弱いところをもう一度見直すことができた時期だったかなと思います。

 今は久しぶりのバスケットで体が重かったり、きつかったりはしますが、精神的なきつさに比べたらぜーんぜん(笑)。みんなと一緒にバスケットができて楽しいです。それにケガをした人の気持ちもすごく分かりました。

――宮澤選手は今まで大きなケガはなかったですからね。では、最後にシーズンに向けての思いを聞かせてください。
宮澤 SNSでシューティング動画を挙げた時に、「アースさんの頑張ってる姿を見て頑張れます」といったようなコメントをいただきました。その時にシーズンでは一人でも多く、そう感じてもらえるようなプレーしたいなと思いました。ケガ明けということはありますが、バスケットができる環境に感謝して、いろんな思いを持ってコートに立ちたいと思います。

 

公式戦でのプレーは昨年の12月以来となる[写真]=Wリーグ

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