2022.06.19

トルコとの初戦で存在感を発揮したオコエ桃仁花「与えられた出場時間を一生懸命頑張りたい」

わずか14分5秒の出場時間ながら、ゲームハイの15得点3スティールをマークしたオコエ[写真]=伊藤 大允
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 6月18日、千葉ポートアリーナで「三井不動産カップ2022(千葉大会) 女子国際強化試合」が行われ、女子日本代表(世界ランキング8位)が女子トルコ代表(同9位)と対戦した。

 2連戦の初戦に77-49で勝利した日本。スターターとして出場したオコエ桃仁花富士通レッドウェーブ)は、試合後の会見で「日本らしい激しいディフェンスからブレイクが出せたのは良かったですが、オフェンスではちょっとバタバタした時間帯があったので、そこは改善していきたいです」と試合を振り返った。

 ディフェンスでは「足を使ってプレッシャーをかけ、ターンオーバーを増やすことを意識した」というオコエ。実際に日本は、トルコに25個ものターンオーバーを誘発させ、相手を50点以下に抑え込んでの快勝だったが、「逆にこのディフェンスをやらないと世界とは戦えない」と気を引き締めた。

 また、チームの完成度については「まだ50パーセントくらい」と話すと、「ボールが動かなくなって、全員の足が止まっちゃうことがよく試合中にあるので、率先してセンターがピックをかけに行ったり、誰かが率先してドライブして中を崩したりしないといけない」とオフェンス面での改善点についても言及した。

 それでも、「自分はアジアカップから経験させてもらっているので、徐々に手応えを感じてきています」と話すオコエは、わずか14分5秒の出場時間でゲームハイの15得点3スティールをマークし、勝利に大きく貢献した。「みんなでプレータイムを共有して、全員で勝ちにいくスタイルなので、自分が与えられた出場時間を一生懸命頑張りたいです」。

 この試合では、放った5本の3ポイントシュートのうち3本を沈めたオコエは「恩塚(亨ヘッドコーチ)さんから、私が打ち続けることでチームが救われるという言葉をいただいて、すごく安心してシュートを打てるようになりました。シュートが決まらなくて試合に負けても、自分はシューターなので、そこはちゃんと責任を取って打ち続けたいなと思います」と自身の役割について力強く語った。

指揮官の言葉を胸に、得点力を発揮したオコエ[写真]=伊藤 大允

「去年まではパスをもらったとき、自分のことしか見れなかったんですけど、今は自分のシュートの間合いも見れるし、仲間の動きも横目で見られるようになったので、そこは成長したかなと思います」

 状況判断の能力が成長したと話すオコエは「ここ2〜3年でスキルコーチの需要が増えたと思います。日本代表にも、富士通にもスキルコーチがいて、一対一で練習できることがすごく自分にとってプラスになりました」とその要因を語った。

世界一へ向けての課題

 女子日本代表は東京オリンピックの決勝で女子アメリカ代表に敗れ、金メダルへ一歩届かなかった。今年9月にオーストラリアで開催される「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2022」へ向けて、チームはその敗戦から得た課題に取り組んでいる最中だ。

「アメリカと試合をしたときにスイッチングディフェンスをされて、ぜんぜん攻められなかったのが日本の課題として残りました。それを全世界が見ていたと思うので、そのディフェンスを全世界がやってくると思います。なので、その対処を練習で今やっているところです」

 その対処の一つとして、オコエはポストプレーを強化しているという。「スイッチをされたときにセンターのプレーヤーがポストプレーでファウルをもらったりと、そこの強化をしています。自分もその意図を理解していて、やっぱりそこを強化しないとアメリカ代表には勝てないっていうのが明確に見えているので、オリンピック後はポストプレーの意識がすごく変化したと思います」。

 東京オリンピックやアジアカップなどを経験し、次なる世界大会へ向けての戦いをスタートさせているオコエは、代表での立場の変化を実感していると話す。「オリンピックのときは必死についていくだけだったですが、今は立場が中間になって、下の選手たちも入ってきました。自分が下にいたときの先輩たちにクヨクヨしている人はいなかったので、自分もそういう選手になりたいし、もっと変わらなきゃなっていう思いがあります」。

 意識の変化があったというオコエは「初めてのA代表の子たちもたくさんいたので、自分が初めてのA代表に来たときや、かけてもらった言葉を思い出して、自分もいろんな言葉をかけるようにしました」と語り、行動にもしっかり移しているという。

 新たな若手選手たちも加わり、ワールドカップへ向けての強化に取り組む女子日本代表トルコとの注目の第2戦は、本日の15時からティップオフだ。

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