「（相手の）体の当たりが強いことは分かっていたのですが、実際にプレーしてみると、いつもはドライブにいった後にコンタクトで負けることはあまりないのですが、今回はパワーで負けてしまいました。でも、それを感じることができて良かったと思っています」

　9月2日、「Wリーグ オータムカップ 2022 in 高崎」の初日に1試合のみ参加したU18女子日本代表の横山智那美（桜花学園高校3年）は、三菱電機コアラーズとの対戦をこう振り返った。

　U18女子日本代表は、9月5日から始まる「FIBA U18女子アジア選手権大会2022」（インド・バンガロールにて開催）に参加予定。「アジア選手権でも（相手の）フィジカルが強いと思うので、そこをどう崩していくかということを大会前に感じることができ、すごくいい機会になったと思います」と横山は言う。

「スタートで出させてもらった中で、自分自身の攻めはもちろんですが、味方を生かすことも意識して臨みました」と、試合では、三菱電機を相手に13得点5リバウンド5アシスト4スティールをマーク。主軸としてチームをけん引した。

　170センチでガードを務める横山は、ドライブからのシュートや巧みなパスなど攻撃力の高い選手。ディフェンスはもとより、跳躍力を生かしたリバウンドなども持ち味で、所属する桜花学園高でも昨年からスターターを担い、今年はエースとしても活躍している。

　横山自身、日の丸を付けてFIBAの公式戦に挑むのは初。「昨年の東京オリンピックからずっと、テレビなどで（日本代表の試合を）見てきて、自分もアジアや世界の選手を相手に戦って、パフォーマンスを発揮したいと思っていました。すごく楽しみなので、自分の強みを出し惜しみすることなく、今までやってきたことを出して、アジアチャンピオンになりたいと思います」と、いよいよ迫った国際大会を心待ちにしているよう。

「スピードが自分の強みだと思っているので、スピードからのドライブと、足を動かしたディフェンス。それと、まだ100パーセント出してない得点力をこの大会で見せつけたいと思っています」と、日本の司令塔は、大一番に向けて力強く発していた。

取材・文＝田島早苗