2024.01.21

積極的な攻めで活力を与える日立ハイテクのルーキー窪田真優…「1試合1試合、何かを得て、学んで」

攻撃的なPGとして注目を集める日立ハイテクの窪田真優 [写真]=田島早苗
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 ドリブルを突きながらリングへと進むスピードはグングンと加速していく。そして相手ディフェンスを振り切り、力強いドライブからシュート。かと思えば、隙あらば果敢に3ポイントシュートを放つなど、日立ハイテククーガーズの窪田真優は、攻撃力の高いポイントガードだ。

 アーリーエントリーで途中から加入した昨シーズンは13試合に出場。そしてルーキーイヤーとなる今シーズンは18試合中16試合に出場している。

 1月2、3日に国立代々木競技場第二体育館行われた東京羽田ヴィッキーズ戦では前節に続いて2戦ともにスターターに。1戦目は5得点で、2戦目は2点3リバウンド3アシストと、いずれも大量得点を奪ったわけではないが、限られた時間の中で司令塔として速い攻撃を演出。自らも積極的な攻めで得点を奪うなど、スターターとしてチームに良い流れをもたらした。

 現在、Wリーグはレギュラーシーズンの終盤に入ったところで、上位8位が進むこととなるプレーオフ進出争いも激しくなっている。特に今シーズンの結果は、来シーズンからはじまる2部制の振り分けの対象となるため、来シーズンからプレミアリーグ(上位リーグ)に参戦するためにも上位8位以内に入らないといけない。この時点で7位につけていた日立ハイテクにとって東京羽田戦は絶対に落とすことができない試合だった。

 結果的には2連勝で7位をキープ。窪田は2試合を戦い終えた後、「順位的にも2勝することがすごく大事というのは分かっていました。(前節の)トヨタ紡織戦で2戦目を落としてから、チームとして自分たちの弱点に対して集中的に練習してきたので、それを出すだけだなとは思っていて、特に緊張することなく自分のプレーをしっかりやろうと臨みました」と、試合を振り返った。

 また、「私はスピードと点を取れるのが強みなので、アシストだけにならず、ゲームの入りで自分のシュートから入れるようにというのを2試合通して意識しました。それと、要所での『ここの一本』というときに、自分が突破していって速い流れを作ることも意識しました」と語り、実際に手応えも少し感じたという。

 一方で課題は、「例えばもっと点を離したいときや点差を詰められたくないときなど、大事な時間帯でのゲームメークの力がまだ足りないなというのはあります。そういう時間帯にミスをしてしまうのが自分自身の弱みだと思います。大事な場面でこそ、強い気持ちでプレーできたらいいなと思っています」と、語る。

 大事な場面での状況判断などはある程度、試合経験を重ねることも必要となるだろう。それでも窪田は、「まだ1年目というのは理由にしたくないと思っています。ただ、(Wリーグでの)試合数はまだ少ないので、これから一試合一試合、何かを得て、何かを学んで、次に生かしながらレベルアップしていきたいです」と、発する。

 まだまだ課題は多いが、「アーリーの頃と比べると顔つきに自信が出てきたねと周りの方にも言われるようになりました。自分自身はそこまで気にしてはいないですが、自分のプレーがWリーグでも通用するということで少しずつ自信が出てきたのかなと思います」と、成長も感じている。

 今は3x3女子日本代表としても活動しており、「特に3x3は時間との勝負というのもあるので、まだそれを生かしきれてないところもあるのですが、時間と得点の使い方は5人制にも生かしていきたいです」と、目を輝かせる。

窪田は3x3の強化合宿に参加中 [写真]=田島早苗


 目指すガード像は、高校の先輩でもある山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)や女子日本代表の宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)ら点の取れるガード。伸び代十分、スピードと力強さを持つ日立ハイテクの若き司令塔は、これからも理想のガードに近づくために歩みを進めていく。

文=田島早苗

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