2017.12.13

【コラム】甘酒はアスリートのリカバリーに最適な糖質源!…甘酒を使用したおすすめレシピを紹介!

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文=安藤大貴(大阪エヴェッサ管理栄養士)

■バスケットボールの試合後の体内の状態とは?
バスケットボールは『間欠的持久運動』といって、高強度のランと休止を繰り返しながら、高い集中力の中ゴールを狙い得点を競うスポーツです。サッカーと比べてみると、サッカーよりも試合時間こそ短いですが、高強度の走運動量が多く休止時間が短い非常にハードな競技です。

このような高強度のランでは、エネルギー源として糖質を多く利用するため、1試合をこなすと体内に蓄えられている糖質である『グリコーゲン』の量が著しく減り、疲労した状態になります。

そのため、試合が連戦と続く場合、低下したグリコーゲンの回復を十分に図らないと、翌日の試合では早々にエネルギー切れになってしまい、ベストなパフォーマンスを発揮することが難しくなります。

特にバスケットボールでは、グリコーゲンの回復が十分でないとエネルギーとして糖質をうまく利用することができず、

①試合後半でのランパフォーマンスの低下
②集中力低下によるシュートパフォーマンスの低下

が生じてしまうと考えられます。

そこで、このような疲労状態から速やかに回復を図る必要がある場合は、グリコーゲンの回復を最大限に高めるための糖質摂取方法について考え栄養補給を行う必要があります。

■グリコーゲンの回復を最大化させる糖質の種類とは
グリコーゲンの回復を最大限に高めるために重要なポイントがいくつかあります。

一つは、糖質を摂取するタイミングです。運動中から運動直後にかけて、筋肉では糖質を取り込むはたらきが活発になっているので、運動後できるだけ速やかに糖質を補給してあげると、例えば2・3時間後に摂取したときよりもグリコーゲンの回復は効率的に進みます。

また、摂取する糖質の種類によっても、グリコーゲンの回復力は異なります。糖質は単糖類、少糖類(オリゴ糖)、多糖類に分類できます。これらの糖質はそれぞれ吸収のスピードが異なり、

単糖類 > 少糖類(オリゴ糖)> 多糖類

の順に吸収スピードが速く、血糖値を上げやすいという違いがあります。

吸収が速く血糖値を速やかに上げてくれるということは、運動直後の筋肉での糖の取り込みが活発で最もグリコーゲンを回復させる効果の高いタイミングを逃さないため、リカバリー効果がより高いということが言えます。

そのため運動後というタイミングにおいては、デンプンのような吸収の遅い糖質よりも、ブドウ糖やオリゴ糖のようなより吸収の速い糖質を摂取する方が、リカバリーを効率的に行うためには理想的であると言えます(図1)。


図1.持久運動後に摂取する糖質の種類の違いが24時間後の筋グリコーゲン回復に及ぼす影響
GI(グリセミックインデックス=血糖値の上げやすさ)の高い糖質のほうが、筋グリコーゲンの回復が高まっている。
*P < 0.05
L.M.Burke et al. Muscle glycogen storage after prolonged exercise : Effect of the glycemic index of carbohydrate feeding. Journal of Applied Physiology 75. 1019-1023(1993)より引用改変.

■甘酒はアスリートのリカバリーに最適な糖質源!
そこでおすすめしたいのが、今注目のマルコメの『糀甘酒』です。

糀甘酒は、お米を発酵させて作られており、その発酵過程でお米のデンプン(多糖類)が分解され、オリゴ糖やブドウ糖といった吸収スピードの速い糖質に変化しています。まさにアスリートのリカバリーに最適な糖質補給源と言えますね。

実際にある研究では、陸上長距離選手を対象に甘酒を継続的に摂取した場合と摂取しなかった場合の選手の自覚的な疲労感を調べて比較してみると、甘酒を摂取させた群では自覚的な疲労感が低かったと報告されています(図2)。

図2.甘酒摂取が男子長距離選手の自覚的疲労度に及ぼす影響
島﨑あかね,樫村修生ら.陸上競技選手における甘酒摂取がトレーニング期間中の身体的部位疲労および自覚症状に及ぼす影響.日本スポーツ健康科学学会第4回大会(2016)

発汗による脱水からの回復のための水分補給も兼ねることができるという点でも、運動後に飲むドリンクとしておすすめです。

糀甘酒は飲料として携帯して飲んでもらえることはもちろん、様々な料理に変化させて摂取することも可能です。

今回はこの糀甘酒を使用したアスリート向けのリカバリーレシピをご紹介させていただきます。

■糀甘酒のさつま汁

《材料(4人前)》
鶏もも肉 120g
さつまいも 120g
ごぼう 60g
にんじん 60g
だいこん 60g
こんにゃく 40g
油揚げ 1枚
青ねぎ 20g
いりごま 4g
かつおだし 480ml
甘酒 240ml
麦味噌 20g
白味噌 40g
薄口醤油 18g(大さじ1)

《作り方》
1 大根、にんじんをいちょう切りに。青ネギは小口切りにして仕上げように置いておく。
2 さつまいもは角切り、ごぼうはささがきにして水にさらしてアクを抜く。
3 こんにゃくは短冊切りにして下茹でして臭みを抜く。
4 鶏もも肉は1cm角に切って軽く下茹でし、アク・臭みを抜く。
5 油揚げは油抜きをして適切な大きさにカットする。
6 出汁をとり、具材を煮る。さつまいもは荷崩れやすいので、適切なタイミングで加える。
7 糀甘酒を入れて一煮立ちさせて味噌を溶かし、薄口醤油を加えて味を整える。
8 汁椀に盛り付け、小口ねぎを添えて仕上げにすりごまを振る。

《栄養成分値(1人前)》
エネルギー 231kcal
たんぱく質 10.1g
脂質 7.1g
炭水化物 31.5g
 (糖質) 27.9g
ナトリウム 842mg
カリウム 509mg
カルシウム 79mg
マグネシウム 52mg
鉄 1.3mg
亜鉛 1.2mg
ビタミンB1 0.10mg
ビタミンB2 0.13mg
ナイアシン 3.5mg
ビタミンB6 0.23mg
葉酸 52μg
ビタミンC 14mg
食物繊維 3.8g
食塩相当量 2.0mg

《レシピのポイント》
鹿児島の郷土料理であるさつま汁を、糀甘酒を使って糖質をしっかり含んだリカバリーレシピにアレンジ。糀甘酒を出汁に対して1/2加えることで、甘酒のコクがプラスされて深みのある味わいに。味噌には甘みの強い白みそをベースに、九州の麦みそ、薄口醤油を少し加えて塩分を効かせることで、甘いだけではない締まった味に仕上げました。具材には糀甘酒同様GI値(グリセミックインデックス=血糖値の上げやすさ)の高い食材の代表でもある、鹿児島名産のサツマイモを使用。季節の食材でもあってその自然な甘みが一層スープを引き立てます。糖質源だけでなく、さつま汁といえば鶏肉を入れることでたんぱく質もプラス。糖質だけを摂取するよりたんぱく質も一緒に摂取したほうがグリコーゲンの再合成は高まるといわれているので、まさに理想的な具材の組み合わせ!

■糀甘酒のさつま汁を大阪エヴェッサホームゲームでAthleteTableにてご提供!
大阪エヴェッサのホームアリーナ府民共済SUPERアリーナ内にある大阪エヴェッサの選手食堂『健康スポーツ食堂AthleteTable』は、大阪エヴェッサのホームゲーム開催時も営業中!

今回、以下の日程で開催される大阪エヴェッサのホームゲームにて、AthleteTableで提供される『EVESSAアスリート定食(税込1,000円)』の1品として、今回ご紹介した『糀甘酒のさつま汁』をご提供させていただきます。この機会にぜひご賞味ください。

<提供日>
12月16・17日 vsサンロッカーズ渋谷
1月19・20日 vs琉球ゴールデンキングス
2月10・11日 vs栃木ブレックス

■コラム執筆・レシピ提供
〇 安藤大貴(あんどうひろき) 1989年9月5日生まれ
大阪エヴェッサ、健康スポーツ食堂「Athlete Table」管理栄養士。至学館大学健康科学研究所特別研究員。至学館大学大学院健康科学研究科修士課程を修了後、スポーツ栄養学を専門とした管理栄養士として活動。競技力向上を目的とした競技者向けのスポーツ栄養サポート、スポーツキッズ向けのスポーツ食育活動、また競技者の競技力向上に関するスポーツ栄養学研究にも従事。食を通じたアスリートの身体づくりやコンディショニング、ケガ予防の指導が専門。

健康スポーツ食堂 Athlete Table
<店舗>
〒554-0042 大阪市此花区北港緑地2-2-15府民共済SUPERアリーナ2F
<TEL>
06 – 6460 – 1880
<公式SNS>
・Facebook:https://www.facebook.com/athletetable.maishima/

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