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『B MY HERO!』
2月19日(現地時間18日)にロサンゼルスのステープルズ・センターで行われる「NBAオールスターゲーム2018」。先月、オールスターの出場選手ならびにロースターが発表され、開催が刻一刻と近づいてきている。バスケットボールキングでは、67回目となるオールスター出場選手紹介に加え、オールスターにまつわる記録や大盛り上がりしたイベント、印象的なゲームなども順次お届けしていく。
<オールスター特別企画⑤>
オールスターで強烈なインパクトを残した男②ブランドン・ロイ
今回は、オールスター出場を果たしてきた選手の中から、短期間ながらも強烈なインパクトを残した選手を紹介したい。本日は2度のオールスター出場で、8割以上のショットを決めてみせたブランドン・ロイの登場だ。
■プロフィール
ブランドン・ロイ(元ポートランド・トレイルブレイザーズほか)
ガード/198センチ/97キロ/2006年ドラフト1巡目6位
キャリア平均:35.5分18.8得点4.3リバウンド4.7アシスト
キャリア通算:326試合出場6,136得点
■NBAにおける主な功績
新人王(Rookie Of the Year):2007
オールNBAセカンドチーム選出:1回(2009)
オールNBAサードチーム選出:1回(2010)
オールスター選出:3回(2008,09,10) ※10年はケガのため欠場
■NBAキャリア
2000年代後半に“ガードが難しい”スコアラーとして活躍
ロイはワシントン大で4年間プレーし、最後のシーズンには平均20.2得点5.6リバウンド4.1アシストという好成績を残した。2006年1巡目全体6位でミネソタ・ティンバーウルブズにドラフト指名後、ブレイザーズへトレードされた。そうして迎えたルーキーシーズン(06-07)、ロイは平均16.8得点4.4リバウンド4.0アシスト1.2スティールと堂々たる成績を残し新人王に輝く。そこから順調に成績を伸ばし、3年目の08-09シーズンから3年連続でブレイザーズをプレーオフへと導く大黒柱として君臨。チームはファーストラウンド突破こそならなかったものの、ロイはエースとして、時にはケガをおしてプレーを続けた。ロイから発せられる“勝ちたい”という思いは、時に驚異的なプレー、そして試合を決する劇的な決勝弾となって表れた。
2010年10月、現地メディア『Hoopsvibe』へコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)が語った「ロイのゲームには弱点というものがない」というコメントが、ロイという選手のすばらしさを端的に表現している。NBA史上に残るレジェンドで、当時レイカーズは2連覇しており、3年連続でNBAファイナルに出場していたチームのエースが「ガードすることが最もタフなのはロイ」と語っている。そして「ロイにはティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)のようなファンダメンタル(基礎)がある。彼は成功するために、身体能力ではなく彼の持つマインド、思考ですべてをこなしている」とコービーは続けた。
このように、ロイは独特のリズムから繰り出すドライブをはじめ、多彩なステップとフェイクで自身の“コンフォートゾーン”を作り出し、持ち前のシュート力でチームを勝たせるべく得点を量産してきた。キャリアこそ短くとも、ファンだけでなく、対戦相手にもインパクトをもたらしてきたのである。
■2008年オールスターゲーム
初出場ながら驚異的な高確率で得点量産!
キャリア2シーズン目ながらオールスター選出となったロイ。ベンチ出場ながらウエスト最多となるプレータイム(28分34秒)を得ると、フィールドゴール10投中8本、3ポイントシュート3投中2本を成功させるなど、チームトップタイとなる18得点をマーク。さらに、9リバウンド5アシストというパフォーマンスを披露。第4クォーターには先発のカーメロ・アンソニー(現オクラホマシティ・サンダー)やベテランのスティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか)ではなく、ロイ自身がプレーしていた。
試合後のロイは、現地メディア『OREGONLIVE』の取材に対して「チームメートたちが『さぁ若いヤツにプレーさせよう』と言ってくれたんだ。僕は彼らを失望させたくなかったからね。(試合には負けたものの)僕らは彼らのためにもこの試合に負けたくはなかった。ハードにプレーしたことで、『すばらしいプレーだった』と、僕らに言ってくれたよ。あの状況には、(オールスター仕様ではなく)普段シーズン中にプレーしている自分がいたんだ」と振り返っている。
ロイは翌09年のオールスターでも8投中7本のショットをヒットさせて14得点5リバウンド5アシストと活躍。翌10年はケガのため欠場となったため、ロイのオールスター出場は通算わずか2度。しかし、同現地メディアではこの年に見せたロイのパフォーマンスを、クライド・ドレクスラー(元ブレイザーズほか)が1992年に残した22得点9リバウンド6アシストと並び、“ブレイザーズ史上最高のオールスターパフォーマンス”と高評価。豪快なダンクに技ありのレイアップ、ジャンパーに3ポイントシュートなど、この年のパフォーマンスには、ロイという選手の特徴が見事に凝縮されていた。
そんなロイのNBAキャリアは、ブレイザーズで5シーズンプレー語、11年12月には膝の負傷を理由にブレイザーズから一度引退を発表された。その後、12年夏にウルブズと契約を結んだものの、5試合に出場するのみで事実上の引退となった。
爆発的な身体能力から豪快なダンクをたたき込む選手ではなかったものの、“技巧派”ロイが繰り出したプレーの数々を覚えている方は世界中にいる。インスタグラムにはロイのプレー写真やハイライトが度々アップされており、その知名度とインパクトの強さを表している。
通算326試合出場というのは、バスケットボールを愛してやまないロイからすれば、まったくもって少なすぎる試合数だろう。それでも、コート上で見せたロイの喜怒哀楽のある表情、相手選手が何度も「やられた!」と思うようなスキルとシュート力を駆使して残してきたパフォーマンスの数々は、今後も決して色あせることはない。
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